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火災保険はかけた分だけ出るの?

2010年9月27日

ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ

先日、保険見直しに来られたお客様で、大変気になる思い違いをされておられるケースがありました。

数年前、お家を購入されたので、住宅ローンとセットで35年の火災保険に加入されました。ところが、その前から加入していた火災共済も継続しておられたのです。火災共済の方は、建物部分の補償は無駄になるので、解約をお勧めしました。この「無駄になる」というのは、生命保険の無駄とは意味が違います。

ソンポ(損保)というのは、モノの被害に対する補償です。家とか車が代表的ですが、モノですから、値段をつけることができます。

損害保険というのは実損填補(じっそんてんぽ)と言って、実際にモノが壊れてしまって受けた被害額や、もう一度買いなおす(建て直す)のに必要な金額を支払いの上限として補償してくれる保険です。ですから、生命保険の場合なら、ご主人さんに死亡保障を5000万かけていて、本当は3000万円でよいという場合、2000万円分の保険料は、「理論上」無駄なのですが、万が一の場合は、キチンと5000万円の保険金を受け取ることができます(ヒトの命に客観的な値段をつけることはできないからです)。

これに対して、損害保険の場合、お家の時価が2000万円のところ、2つの火災保険で、合計3000万円の保障に入っていたとします。

万が一、お家を火災で消失してしまっても、受け取れる保険金は、最大2000万円なのです。ですから、残りの1000万円分は、全くの「保険料の無駄」ということになります(専門用語では「超過保険」と言います)。

生命保険と損害保険にはこのような違いがありますので、ご注意いただければと思った次第です。

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