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家計の赤字を何とかしたい! 「まず食費の節約から始める」は正解?

2012年10月09日

ファイナンシャル・プランナー 柏木麻理

家計の支出には住居費・教育費・食費・生命保険料・レジャー費など、色々なものがあります。皆さんは家計を見直したい場合、どの費目から節約しよう思いますか?

この様な質問をすると、圧倒的に多い答えは【食費】です。

「外食の回数を減らそうと思います。食材を出来るだけ安く買うように心がけます」 「住宅ローンの金利が借り入れ当初より下がっていると聞いてもよく分からないし、生命保険の方は実は家族にどんな保障があるのか分かりません」
そんな事をよく耳にします。

では、食費の節約から始める事が最善の方法なのでしょうか?

FPとして多くの家計改善をお手伝いしてきた経験から言うと、必ずしも正解とは言えないか知れません。

今回は家計の見直しの一部をご紹介しながら、一緒に考えていきたいと思います。 4歳と2歳のお子さんと暮らすAご夫妻(夫40歳、妻38歳)が、先日家計の見直しの相談にいらっしゃいました。


更新型の定期保険と収入保障保険の違いは?

ご主人の保険証券を見ると【10年更新型の定期保険】に加入されていたので、先月のお誕生日月から保険料が上がった事が分かりました。 そこで、家計改善のためご提案したのは、【収入保障保険】です。 世帯主に万が一の事があった場合に必要な金額は、子供が0歳である場合と大学を卒業間近の場合では異なります。 収入保障保険は、時間の経過とともに亡くなった時の受取額を減らして、その分保険料を安くしている生命保険です。

  現在加入している保険
【10年更新型の定期保険】
見直し後の保険
【収入保障保険】
保障額  3,600万円 年間180万円を亡くなった時から60歳まで受取れる。
40歳で死亡…総額3,600万円
50歳で死亡…総額1,800万円
55歳で死亡…総額 900万円
メリット 60歳までいつ亡くなっても3,000万円を受け取れる。 支払保険料が上がらない。
デメリット 10年の更新ごとに保険料が上がる。 時間の経過と共に、亡くなった時の受取額が減っていく。
支払保険料 30歳〜40歳  5,904円
40歳〜50歳 10,044円
50歳〜60歳 20,736円
 40歳〜60歳 4,680円

いつ亡くなっても3,600万円が欲しいのであれば、【10年更新型の定期保険】のままの方が良いかもしれません。 一方、死亡保障は最低限で十分、夫が50歳の頃には子供の教育費が負担になってくる事が予想されるため、 保険料の負担を出来る限り減らしたいのであれば【収入保障保険】に切り替えるという方法もあるでしょう。

2種類の保険を検討した結果、Aご夫妻は【収入保障保険】に切り替えました。来月から口座から引き落とされる生命保険料が約5,000円少なくなります。 生命保険の見直しが終わるまで3回ほど会ってお話をしましたが、ご自身が納得できる保障をカバーしつつ、支払う保険料を下げる事ができて、 とても喜んでいらっしゃいました。


固定費と変動費

Aご夫妻のケースから以下の事が分かります。

家計の支出は固定費と変動費に分けられます。

  • 固定費・・・主に口座から引き落とされ、毎月出ていく金額が決まっている費目(住居費・教育費・生命保険料など)
  • 変動費・・・主に財布から出され、毎月出ていく金額が決まっていない費目
    (食費・レジャー費など)

固定費の節約は一度実行すると毎日我慢をする必要がありませんが、変動費の節約は毎日我慢をする必要があります。

外食の回数を一回減らす前に、一度ご家庭の固定費を見直してみませんか?


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