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借金のコワーイ仕組み

2011年5月18日

ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ

雪ダルマ式に膨らむ、借金の怖い仕組み

今回は、お金で人生が狂わないために、 知ってほしいことをお話します。

それは借金との付き合い方です。

キャッシング・クレジット・まとめてリボなどというと、 気軽に使いやすい響きがあります。 中には、リボ払いにすると、ポイントが増えるので得だ!と、 思い込んでいる人もいると聞きます。

(2010年の法改正で、年収の3割以上は借りられなくなりました)

しかし、中身はすべて借金なのです。 「借金」というと、急にドーンと響きが重くなりますね…

・借金がいかに割りに合わないか
・どうして返しても返しても、返済が終わらない気がするのか
・借入を繰り返していると、どうして、
 あっと今に雪ダルマ式に金額が膨らんでしまうのか


これらは、借金の仕組みを理解すればわかります。 仕組みを理解していれば、安易なキャッシング行為は防ぎやすくなります。

では、ひとつ例題を出してみたいと思います。

例えば、金利14%で、100万円を借りています。 月々は2万円ずつ返済していくとします。

この場合、金利は合計でいくら支払うことになるでしょうか?


「100万円の14%だから、14万円だけ多めに返せばいいんでしょ?」

と思った方、違います!


2万円の返済からは、払わなくていけない利息を先に差し引かれ、 残りがあれば元金返済に回るという仕組みになっています。

100万円の14%は14万円 14万円は年額なので、1か月分は12分の1の11,667円 2万円から先に利息11,667円を取られて、 元金返済に回る残りのお金は、たったの8,333円

2万円の内訳で考えると、利払いの割合は、 なんと58%になっています!

そして翌月は 8,333円減った、991,667円に対して、 同じように14%の利息の1か月分 11,600円が差し引かれ、 8,430円が元金返済にまわる、ということになります。

これを繰り返して、100万円を返し終われるのは、 約6年後、合計の利払いは約50万円になります! 見かけの利息は14%でも、実際の負担は50%なんです!

リボやアドオン方式など、借金への利息のつき方は いろいろフクザツな方式がありますが、 大枠は上記の計算イメージで考えて頂ければOKです。

見かけの利息の%よりは、実際はずいぶん高くつく仕組みになっています。 これが複利の恐ろしいところです。

借入が必要な商売をしている人などを除き、普通の人は、 以下のように借金を捉えておきましょう。

・基本的には、住宅ローン以外の借金は、しないことを目指しましょう。
・カード払いを利用するときは、1回払いや、短期間で返済するなど、
 なるべく金利を払わなくてよい払い方を選びましょう。
・住宅ローンは、無理のない返済計画を立ててから、借りるようにしましょう

最近多いのが、収入ダウンで住宅ローンが払えず、 家を失いたくないので、とりあえずキャッシングをして 住宅ローンの返済にあてるというケースです。 これを繰り返していると、あっというまに膨らんで、 利払いだけで、収入がほとんど持っていかれるという状態になります。 結果、家を任意売却(ニンバイ)で手放さざるを得なくなったり、 自己破産する人がたくさんいます。

これは絶対やってはいけないパターンです。 傷が浅いうちに、治療を受けるべきです。

住宅ローンを払えなくなりそうな時点で、 借りている金融機関に相談するか、お金の専門家に相談することを 強くお勧めします。

ローンの返済が滞ってしまった場合や、多重債務に陥ってしまった場合は、 法律関係の専門家に相談することになります。


無料で法律関係の専門家に相談できる窓口
法テラス → http://www.houterasu.or.jp/

2011年3月10日 ゆりもとFP事務所メルマガ掲載コラム 再編集


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