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【レポート】 二宮尊徳に学ぶ「よい借金・わるい借金」その3

2011年9月13日

ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ

前々回からシリーズで、「借金とは何か」「よい借金とわるい借金というものがあるのか」 ということについての研究レポートをお届けしております。

前回は、二宮尊徳が発明した、 素晴らしい金融システムの仕組みをご紹介しました。

今回は、尊徳の金融システムに魂を吹き込むことに成功した、 金融哲学「二宮尊徳の五常講(ごじょうこう)」 についてみていきたいと思います。

五常・・・5つの徳目

二宮尊徳は、借金をきちんと返済していく努力の中に、 5つの徳が宿り、その徳が成長していく、という哲学を打ち立てました。 5つの徳を五常(ごじょう)といい、もともとは中国の孔子が説いた徳目です。

仁 : 仁愛・慈愛・慈悲の心。
義 : 正義を貫き、筋を通すこと。
礼 : 礼節を重んじ、人を敬うこと。
智 : 道理・真理・真如を正しく把握する知恵。
信 : 誠・真心・信頼の心。

尊徳は、この五常に則った、金銭の貸し借りをすることで、 貸借を通して人々が有徳になっていく道を説きました。 尊徳は、この五常を、お金の貸し借りに応用して、 以下のように説明しました。

尊徳の説いた「5つの徳」とは

仁 : 多少余裕のある人から、余裕のない人にお金を差し出すこと。

信 : 約束を守って必ずお金を返すこと。

義 : 借りたほうが約束を守って、正しく返済すること。

礼 : 約束を守って返済した後、必要な金を貸してもらった感謝を行動で示す。 その恩義に報いるために、利息(冥加金と言った)を差し出したり、 返済について決して貸し手に迷惑をかけないように心を配ったり、 さらに努力して得た余財を貸付金にあてるときも、 決していばったりしないこと。

智 :どのようにして多くの余財を生じ、借りた金を早く返すか、 つまり約束を迅速確実に守るかという工夫をすること。


さらに、お金に関する五常の徳を貫くものは「信」であると説明していました。 「信」を基にした金銭の貸し借りは、 「貸し手」「借り手」「金」それぞれの本来持つ徳を顕在化させ、 徳の増加に伴う経済発展の循環を生み出す行為である。 金の貸し借りはこの五常の道を実践するならば、 卑しいこと、恥ずべきことではなく、 人助けと徳の顕在化を実現できる高邁な行為である。

借り手は、五常に則って感謝を込めて金を返済する。 また、一生懸命働いて利益を増やし、 生活をつつましく保ち余剰を生み出せるようになりなさい。 そしてその余剰分を他の困った人々に使ってもらうことで 「推譲」の精神の実践者となっていくことを目指しなさい。 すべての人がこういう気持ちで貸し借りを行えば、 徳を掘り出しながら多くの人々が救われる、善の働きが世界を循環し続け、 人間の築きうる理想郷、仏の国が出現する。 つまり、五常講はお金の中に仏を見出していく道である。

ちょっと長くなりましたが、 これが二宮尊徳 五常講(ごじょうこう)の思想です。


お金と幸福を同時に回していく精神

「利息」は、貸してくれた人への感謝を形にするものである――

そのような発想での貸し借りというは、斬新で感動的な考え方です。 あなたが、住宅ローンや自動車ローンなどを抱えているとして、 毎月「ありがとう」と、感謝の気持ちを込めて、 利息を数万円支払う、 ということをイメージできるでしょうか?

人の徳を信じて引き出す形の貸付を行うことで、 貸し倒れのリスクも大きく減らせ、金利を低く設定できる、 という善の循環を呼び込んだのです。 「お見事!」といいたくなる仕組みです。

人々が幸福になるようにお金を回していく、 この精神を、現在の経済システムに盛り込むことができれば 本当に素晴らしいでしょうね。

精神性と貨幣経済が矛盾せずに相互発展できる道があると、 200年前に二宮尊徳は教えてくれました。 この精神的遺産を、活用していきたいですね。 (埋もれさせておくにはもったいないです!)

【補足】
今回ご紹介した二宮尊徳の精神ととても似た仕組みで、 生活困窮者への小口融資を行うために設立された、 グラミン銀行というものがバングラディッシュにあります。 2006年にノーベル平和賞を受賞しています。 日本人では、ユニクロ(ファーストリテーリング)の柳井氏が、 積極的に共同活動を展開されておられます。

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