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あなたが使うお金の価値を高める

2010年9月22日

ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ

さて、みなさんのなかには、「家計全般を見直したいのだけれど、どこから手をつけていいのやら…」「食費や光熱費はこれ以上削れないくらい、がんばってるのに、貯金が増えないのはどうしてかしら…?」という方はいませんか?

今回のワザを使うと、 「使ったお金がムダになっていないか」簡単にチェックすることができます。

それでは、【第5のワザ】を発表します。

【第5のワザ】 「投資」と「消費」の違いを知る。
お金の価値を高める「投資」とは

「えっ、投資って、株のこと?」と思った方、いらっしゃいますか?

今回は、そういう話ではありません。世間一般で言われている、投資の概念はいったん忘れてください。ここで「投資」と言っているのは、「そのお金を使うことによって、金額以上のメリットや、長く続く幸福が得られるもの」へ支払いをするということです。

例えば、多くの人は、人生で使えるお金の大半をはたいてマイホームを購入します。その理由は、「家族が安心して永続的に暮らせる空間の確保」にそれだけの支払いをする価値があると考えているからでしょう。また、家を買えば、ご近所の人間関係や住環境を良くしていくことにも身が入ります。

・・・「家」を中心に、家族の暮らしやコミュニティを広げてゆき、人生を豊かにしてゆけるならば、マイホームの取得費用は、立派な「投資」だといえるでしょう。

(ただし、今のようなデフレの時代、住宅ローンの返済は投資としても、利子分の支払までは、投資と考えにくいですね。頭金を増やすなり、計画的に繰り上げ返済をすすめるなりして、支払利子を減らせるとよいですね)。

また、子供の教育費も、家計における大切な「投資」ですね。子供時代に努力して身につけた学力や体力は、やがて社会に出たときに、激動する時代を生き抜いていくための 大事な基礎力となることでしょう。

このように、支払ったお金以上の価値を生んでいる項目は、有効活用、つまり「投資」に使えていると言えます。一方、「消費」というのは、「一時の気晴らしで、あとに何も残らないものにお金を使うこと」です。

(ムダとわかっていながら、見栄や衝動買いで支払いを増やしてしまうなら、もっとキビシく「浪費」と言うべきかもしれません)。

ご家庭の家計簿や、支払いリストを眺めてみて、「消費」にしかならないモノにお金をかけすぎていないか、自分や家族に必要な「投資」に、お金を有効に使えているか、ぜひ、じっくり検討してみて下さい。

「投資」と見えるなかにも「消費」がある

ここで、さらに注意していただきたいことがあります。それは、一見、「投資」に見える支払いの中に、「消費」になってしまっているものがないか、気をつけていただきたいということです。例えば、子供の塾代やおけいこ代は、一見、「投資」ですが、「塾のレベルが子供の学力と合っていない」「子供のやる気がなくて、塾の時間が仮眠とおしゃべりタイムになっている」などという場合、塾代は残念ながら「消費」ということになります。お子さんに合った塾や学習方法を、選び直すべきですね。

また、あなたやご主人が「自己投資のため」といって買い込んだ書籍が、「一年たってもページをめくったことがないものばかり」というのなら、これは「投資」とは言えないですね。「今すぐ読みたい本」を、その都度買ったほうが、結局はムダがないかもしれません。

それでは、今回のワザのまとめです。

第1ステップとしては、支出を「投資」と「消費」を分け、「消費」を抑えていく。第2ステップは、一見、「投資」の中に無駄がないかチェックし、支払うお金の価値を高めていくことです。

この手順で、家計の見直しをしてみることをお勧めします。

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