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元本保証で株式投資ができるの?

2010年10月8日

ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ

投資ビギナーにおすすめの元本保証の投資

お金を増やすための運用手段として、株式や債券といった有価証券に投資する方法があることは、誰でもご存知のことと思います。実際、積極的に株や投資信託を動かしている方も、読者の皆さんのなかには、たくさんいらっしゃることでしょう。

でも、「やってみたいんだけど、1歩を踏み出すきっかけがなくて」という方もたくさんいます。その1番の理由は、元本が保証されておらず、増えるかもしれないけど減っちゃうかもしれないというお金の運用法に、まだ、なじめないでいるからです。

バブルがはじけるまでは、銀行に預けてさえおけば、5%や8%の利息を「元本保証」で受け取れました。それが急に、これからは投資を勉強しないといけませんよ、という話になってきました。恐る恐る、銀行や証券会社の窓口にいって、投資信託について聞いてみると、

「1年で10%増えるかもしれないけど、10%減っちゃう可能性もあります。この運用の可能性の幅をリスクと言いいます。リスクには、運用リスク、為替リスク、国や会社の破綻リスクなどがあります。リスクを理解した上で自己責任で投資するか決めてください」

なんて分かったようで、分からない説明を聞いて、何だか気持ちがしぼんでしまい、結局金利0.1%の普通預金に預けっぱなしという方も多いようです。そんな投資ビギナーの方にお勧めなのが、今回ご紹介する運用方法です。

条件付ではありますが、なんと元本が保証された状態で、有価証券に投資することができるのです。

それでは、第26のワザ をお送りします。

【第26のワザ】 保険を利用して「株式投資」を経験する

皆様は、 変額終身保険 って御存知でしょうか? いきなり頭が ???(@_@;) になった方のために、「変額保険」と「終身保険」に分けて説明したいと思います。

終身保険とは

終身保険は、いつ亡くなっても、保険金を受け取れる死亡保障の保険です。

来年亡くなっても、100歳でなくなっても、保険金が受け取れる代わりに、保険料は高めです。でも、払い込む総額よりは、死亡時に遺族が受け取れる金額は多くなります。

変額保険とは

一方「変額保険」というのは、払い込んだ保険料を株式や債券で運用していく保険です。

「変額」、つまり何の金額が変化するのかというと、受け取れる「保険金」や「解約返戻金」が運用次第で増減するのです。

変額終身保険とは

ただし、「変額終身保険」は、死亡保険金の最低保証があります。500万円の「変額終身保険」に加入した場合、もし、運用がうまくいった場合は、500万以上受け取れます。

一方、運用がうまくいかなかった場合でも、500万円は保証されているという、スグレ物なのです。そして、運用方法は保険会社によって違いますが、いくつかのファンド(投資信託)から自分の好きなものを選んで運用してもらうことができます(ファンドを選べない商品もあります)。

運用レポートが送られてきたり、ネットでいつでも運用状況を確認できたりするので、「うちも資産運用してるのね」と気分が盛り上がります。そして、もし値下がりしていても「死亡保険金は保証されているからまあ、いいか」と割り切れるので、夜も眠れないくらい悔しがらずにも済みます。

つまり、将来受け取る死亡保険金には最低保障がついているので、かなり気楽に運用チャレンジをすることが可能なのです。

ここまで読まれて、「いいこと尽くめじゃないの」と思った方に、1つだけ注意点があります。

「変額終身保険」は、途中で解約した場合の返戻金は保障されていません。運用が悪いとゼロということもありえます。

「中途解約は著しく不利になる可能性あり」ということは覚えておいてください。

ですから、この保険の使い方としては、

亡くなってから必要になる金額を、無理なく払い続けられる保険料の範囲で加入する

ということになります。

お葬式や身辺整理が終わるまでが人生なら

ここで、無事定年を迎え、おじいちゃんおばあちゃんになった自分たちをイメージしてみましょう。

いつか訪れるこの世とのお別れのとき、どんなことを望むでしょうか? 魂は天国に旅立ったとしても、やはりお葬式や身辺整理が済むまでが、自分の人生だという気持ちになるのではないでしょうか。 納得のいくお葬式で、縁ある方々との最後のご挨拶をしたくなるのではないでしょうか。

一方、葬儀代やお墓代は、なかなか値引きしてもらう訳には行きません。「今なら葬儀費用10%OFF」なんて広告、見たことありませんよね。

でも、人生最期の儀式ですから、あまりみすぼらしいものではいやですし、また一方、残った伴侶や子どもに負担をかけたくもありません。 すると、1手段として、変額終身保険で死んだ後に必要なお金を準備すると、何と40〜60%OFF! で用意できてしまうんですね。

死後に使うお金を「節約」できると同時に、ファンドでの運用経験が積めるという、とても面白い保険をご紹介いたしました。

お役立ち 参考データ

ある保険会社で、35歳男性/500万円の死亡保障/60歳払込完了の場合

       終身保険      変額終身保険
月の保険料  約13,000円  約8,000円
払込総額   約390万円    約240万円

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