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資産運用マスターコース・基礎編

2010年10月18日

ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ

投資の勉強は、どこから手をつける?

資産運用を志す方が、最初に戸惑い、混乱するのは、投資商品と投資法について、あまりに情報が多いことではないでしょうか?

一口に株式投資と言っても、テクニカル分析だとか、ファンダメンタルズだとか、また投資期間も長期が良いとか、短期で利益を確定していくほうが良いとか、いろんな派があって、初心者を混乱させています。

投資商品でも、株式、投資信託、ETF(上場型投信)、REIT(不動産投信)、債券、外貨預金、外貨MMF、FX、と、身近なカテゴリーだけでも山のようにあり、さらにそれぞれに個別商品が山のようにあったりします。

さあ、勉強するにしても、どこから手をつければよいのでしょうか?

・・・ここで、良い保険選びの原則を思い出して頂きたいと思います。

個別の保険商品えらびから入るのは、本質を見失うため、×(バッテン)でしたよね。大切なのは、あなたが、どのような保障を、どれだけの期間、いくらの予算で準備したいかをはっきりさせることでした。 そして、自分のニーズを満たす保険だけに絞った上で、集中して比較検討すれば、かなり勝算は高まるのです。投資でも、同じ法則が使えます。

それでは、第32のワザ をお送りします。

【第32のワザ】 投資スタンスを明確にする
投資スタンスを決める3つのポイント

溢れる投資情報は、それぞれに根拠があり、一面の真実を含んでいます。けれども、すべてを取り入れることが成功には結びつきません。

評判の良い塾だからといって、4つも5つも掛け持ちで通ったら、様々な学習法に混乱し、試験に合格する可能性は、逆に減ってしまうようなものです。自分に一番あった運用法で、長く勉強と実践を続けることが成功への一番の近道です。

ここで、投資スタンスを決めるポイントを3つご紹介しておきます。

1.どれくらいの資産を運用に回せるか

生活費や、1〜2年以内に使うことが決まっているお金はプールした上で、運用に回せるお金を、一時金ではいくら、毎月積み立てるならいくらと明確にして見ましょう。資金量によって、手を出せる商品は変わってきます。

2.運用に回せる期間はどれだけか

「この子が大学に入学するまでの10年くらい」 「20年後の年金生活が始まった時のプラスアルファにしたい」

期間がある程度つかめていることで、短期の増減に一喜一憂することなく、ゴールまでに勝っていく運用を目指せます。

3.運用のために、どれだけの時間をさけるか

短期売買で利益を上げる方々は、それが本業と言えるくらいの時間を投資に割いています。本業や、やりたいことが他にあり、初期の勉強段階以降は、余り長い時間を費やせないという方と、毎日数時間を投資に使える人では、投資法は異なってくるのは当然ですね。

この3点に関して、ある程度自分のスタンスを決めておくと、スタンスと合わない投資法や商品情報は、ザクッとカットして、勉強を進めることができます。

投資スタンスが決まると学習スピードもアップする

例えば、「○○ソブリン」と言った、毎月分配型のファンドは、一時期とても人気がありましたが、10年の運用期間で、最終的に運用益を多く享受したいという方なら、頻繁に配当を出すため原資が増えにくくなり、また配当のたびに課税される商品は、ニーズに最適な商品とは限らないことが、分かってくると思います。

(あ、毎月運用益をお小遣いとしてほしいなど、グロソブが向いている人もいますので。)

また、「値上がりの期待できる株特集」という記事があったとして、毎日の価格変動を追いかけて、短期で売り抜けるのに有望な銘柄というスタンスで特集が組まれているのなら、長期で積み立て保有したい人には向いていない情報ということになります。

自分の投資スタンスに合った商品か、また投資方法に関しても、賛同できるスタンスで書かれている記事かをチェックして、合っているものだけを吸収していきましょう。

これだけで、資産運用の学習スピードは、5倍くらい早まることと思います(^_-)-☆

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