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元本保証運用からのテイクオフ

2010年10月18日

ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ

今まで金利0.何%という預貯金に甘んじてきた方が、積極的な資産運用の世界に一歩踏み出そうとするときの、最大のハードルは、「元本保証ではない」ということを、どう考えればよいか分からない恐怖心ではないかと思います。

投資の世界に入りかけた、ビギナーさんが陥りやすいパターンは、2通りあります。

投資リスク:2つパターン

 資産を減らしてしまうリスク

1つは、資産が大きく増える可能性だけに心を奪われて、いきなり、リスクのあり過ぎる投資に、多額の資産をつぎ込んでしまうパターンです。

運用で増やしたいと思う余り、退職金全額をいきなり、2〜3種類の個別銘柄株や、仕組みの良く分からない先物に投資してしまい、半分に減らしてしまった、という失敗談は、時々耳にします。

これは欲が過ぎて、リスク管理の勉強をしないままに大変リスクの高い投資に手を出してしまう、失敗例と言えます。

 インフレで目減りさせてしまうリスク

一方、正反対と思える2つ目のパターンは、元本が減る可能性があるというところが気になって、元本保証の商品から踏み出せないまま、ズルズル何年もたってしまう方です。

この方は、元本保証という、パッケージ化された安全に甘んじることで、別のリスクを背負っていることに気付いていないことが多いのです。

別のリスクとは、インフレによって、あなたの貯蓄の価値が相対的に目減りしてしまうというリスクです。

インフレリスクとは

日本はここ10年ほどデフレ基調が続いていますので、インフレといわれても、ピンと来ないかも知れません。また、技術革新やシステム革新のおかげで、好景気でも家電や通信関係は、デフレ状態が続くことが多いですね(科学技術の力って素晴らしいですね! また、規制緩和のパワーもすごいものがありますね)。

しかし、デフレの中でも値上がり続けてきたサービスがいくつかあります。

代表的なものに、教育費と、葬儀代があげられます。

教育費(学校の授業料や塾代)はデフレも何のその、年平均3%の上昇を続けています。また、葬儀代の平均の費用は、何と年間5%近いペースで上昇しているそうです(実際のところは、豪華志向と簡素化志向に2極化しているようですが)

仮に年2〜3%の上昇としても、現在300万円であげることができるお葬式が、30年後だと600万円必要ということになります。葬儀用の300万円を普通預金に預けたままにしていると、30年後には、お金が足りなくて、お葬式があげられない! という困ったことが起こるかも知れないのです。

運用をしないことで、将来の自由が減ってしまうというリスクが起こり得るのです。

それでは、リスクとリターンの関係を、どう整理して、投資の世界に入っていけばよいのでしょうか?

資産を減らしてしまうリスクと、インフレで目減りさせてしまうリスク、両方を減らす投資法ってあるのでしょうか?

それでは、第33のワザ をお送りします。

【第33のワザ】 投資期間と投資先でリスクをコントロールする
株式市場の騰落率:アメリカの場合

アメリカのここ200年余りの株式市場の騰落率(1年ごとの株式市場の価格変動率)を見てみますと、単年度では、プラスの年もマイナスの年もあります。

ですから、株式市場全体に、1年だけ投資するのであれば、資産が目減りする可能性は、3割くらいあるといえます。

ところが、同じ米株式市場全体に投資するのに、期間を10年間に伸ばしてみると、資産がマイナスになる可能性は、3%くらいに下がります。そして、20年以上の投資期間を取れると、元本割れの確率は限りなく0%に近くなります。

理論的には、資産が増える確率が極めて100%に近くなっていくのです。

どうしてそうなるのでしょうか?

2つ押さえて欲しいポイントがあります。

1つは、当たり前のことですが、長い目で見て、発展している投資対象であることです。アメリカの株式市場は、約200年の歴史がありますが、平均で年7〜8%程度の成長を続けてきた実績があります。

株式市場の騰落率:日本の場合

日本の株式市場も、戦後約50年間の間に、バブル崩壊期間の下落を含めても、年7〜8%で上昇してきた実績があります。長期でみて値上がりのトレンド(傾向性)がつかめている投資先を選ぶことで、資産を目減りさせる不安はかなり減らせそうです。

押さえておきたい2つめのポイントとしては、投資期間を長く取れば取るほど、リスクを減らす効果が高まるということです。

「3年後に住宅購入の頭金にするから、絶対目減りしたら困るの!」という資金を、投資に回すことはお勧めできません。その場合は、利回りは低くても、確実性のある金融商品を選びましょう。

・・・そうではなく、

 このお金は、最低10年は寝かしておける
 使うのは20年後で、老後資金の一部としたい
 将来のインフレや医療費の高騰で目減りしていて欲しくない

というお金であれば、長期投資の法則を利用することで、元本割れのリスクと、インフレで目減りするリスクを、両方ある程度コントロールしながら運用することが可能になってきます。



ここまで、読まれて、投資のリスクに対して、考え方に変化がありましたでしょうか?

時間と優良な投資先という2つのポイントを押さえれば、じっくりと着実な資産形成が可能であることを知っていただければ幸いです。

<参考> ゆりもとFPの家計お助けアドバイスシリーズ めざせ!家計マネジメントの達人<第4回> 家計と発展 「毎月1万円で余裕資金1000万円!」

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