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明治の達人が語る、貯蓄成功のコツ

2010年10月25日

ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ

今回は「安田 善次郎」(やすだ ぜんじろう)という、明治時代の財界人の貯蓄術をご紹介したいと思います。

安田善次郎(1838―1921)は、極貧の中、丁稚奉公からスタートし、一代で安田財閥(旧安田銀行や安田生命などの安田グループ)を築き、東京大学に安田講堂を寄付された方です。

Wikipedia「安田善次郎」のページから経歴の一部を引用します。

富山藩における下級武士(足軽)善悦の子としてうまれる。安田家は善悦の代に士分の株をかった半農半士であった。 21歳の時、奉公人として上京。最初は玩具屋、ついで鰹節兼両替商に勤めた。やがて安田銀行(後の富士銀行。現在のみずほフィナンシャルグループ)を設立、損保会社(現在の損害保険ジャパン)、生保会社(現在の明治安田生命保険)を次々と設立し、金融財閥としての基礎を築く。

(オノ・ヨーコの曽祖父にあたる方でもあります!)

この方の著書から、蓄財に関する、ズバッと鋭いアドバイスをご紹介しますね。結構辛口ですが、とても参考になります。

安田善次郎が指摘する「世間の人が貯蓄できない4つの理由」

1.予算の立て方が悪い

人は多く、貯蓄額を最初、収入不相応に多額に設定するから長続きしない。最初は大丈夫な額に定めて、1年くらい守り、段々増額する方法を取る必要がある。いわゆる漸進法(ぜんしんほう)である。貯蓄も半年、1年と続けば趣味のようになり、楽しく成功できるのだ。

2.外見を飾る心がある

人は多く、金が少しでも貯まると、外見を飾る心が起きるから貯金ができない。虚栄心は、お金が応援するとますます増殖し、貯蓄ができなくなる。貯金をするには、生活費を引き下げて、倹約すればよいだけである。そうは出来ないという人は、虚栄心に負け、世間体に苦しめられているだけである。

3.克己心が薄い

克己心が薄弱なものは、一攫千金ばかり夢見ていたり、生活が苦しくても、酒やタバコをやめられない。こういう者は、収入がいくら増えても、生計が楽になることはない。

4.いたずらに志だけが大きい

志のみ大にして、実行が伴わない者は、節倹の努力をせずに成金を夢見ているうちに、人生が終わってしまうものだ。

(出典:「富之礎」安田善次郎著。一部現代語にゆりもと意訳)

うわー、いかがでしたでしょうか?

安田のオジサマのお説教には、時代差を感じさせない、耳に痛いポイントが並んでいますね。私も過去の貯蓄失敗を振り返ると、1〜4まで、全部思い当たります(>_<)

それでは、貯蓄を増やしていくために必要なことをゆりもと風にまとめなおして、【第41のワザ】をお送りします。

【第41のワザ】 実現可能な貯蓄目標を立てる

大きすぎる貯蓄計画を立てて、挫折した経験のある人は、みなさまの中にも多数いらっしゃることと思います。かといって、貯蓄目標を立てなければ、自然に貯蓄が増えて行くことはめったにありません。贅沢も、してはいけないと言うのではなく、家計に分相応かがポイントですよね。

また、「来年どうしよう…。宝くじ当たるといいな」で、具体策はなにもないまま、また1年過ぎていく…というのもよくありがちですね。

貯蓄体質になるためには、適切な目標設定が大事です。ただ、その前に、収支の正確な把握がもっと大事かも(^^ゞ

現在の体重や摂取カロリーに目をつぶって、ダイエット目標を立てても、おそらく99%実現することはなさそうなのと同じことですね。何をどうすればいいか分からない人は、まずは「何に」「いくら」使っているを解明することを目標にしましょう。

収支の内容を把握し、実現可能な貯蓄目標を立てて、1年間実行する。

これが出来れば、ぐんと進歩できるはずです。

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