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収入半減時代の住宅購入法

2011年5月24日

ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ

今回は、先の見えない時代に、
住宅購入で失敗しない方法をお話します。

住宅購入のご相談を受ける機会は多いのですが、
夢のマイホーム取得に対する、皆さまの思い入れは
とても深いものがあると感じています。

FP相談を数多く受けてきて気づく、
購入価格の特徴としては、
世帯収入の額に関わらず、
買える予算上限の家を買う傾向がある、
ということです。

例えば、年収500万円の世帯ですと、
3,000万円〜3,500万円が大体住宅ローンの上限です。
それ以上は借りられないか、借りられてもライフプラン上、
返済が非常に困難になってしまいます。

では、年収1,000万円の人が、3,500万円の家を買っておけば、
結構生活にゆとりが出るように思います。

実際のところは、5,000〜7,000万円という、
やはり上限に近い物件を取得したいと動かれます。

特に首都圏は、住む街自体がステータス、
というブランドイメージが強力で、
大阪出身のゆりもとは、最初は非常に面食らったのを覚えています。

 「田園調布がよいです」「吉祥寺がよいです」
 「絶対、東急東横線沿線です」
 「商店街のある街に住みたいです」

どの街を選んで住みたいかは、その人のステータス・趣味素養・
街への愛情・暮らしへのこだわりに、大きく関連しています。
不動産価格は、駅ごとに見事に相場形成されており、
それぞれきちんと理由があります。

資金が潤沢であったり、収入の先行きが安心できる方は、
できる限り希望を叶えるマイホーム取得を応援しております。

ただ、最近の経済情勢では、
予算上限の住宅ローンを組んだ場合、
もし収入が1割、2割りダウンしてしまうと、
あっという間に首がまわらなくなる恐れがあります。

お客様の夢を壊してしまうことはしたくないのですが、
住宅ローンが払えなくなって、
マイホームを手放すというつらい相談にも、
いくつか出会ってきました。

任意売却は昨年はなんと7万件で、現在急増中です。

FPとしては、ライフプランをつくり、
返済計画を万全に立てた上での住宅取得を、
強くお勧めしております。

ただ、今後の年収の変動が大きそうな方は、
なるべくリスクを減らした住宅取得をした方がベターです。

それでは、【第46のワザ】を発表します。

【第46のワザ】家は売ることを考えて買う!

返済途中で、家計が厳しくなったときの対策を増やせる
住宅購入方法をご紹介します。

それは、不動産投資の観点も考慮しならが
物件選びをするということです。


一例を挙げますと、

・換金性で問題ないもの
 (一定の物件流通量と、エリアの人気が固まっている)
・賃貸の客付けがしやすいもの
・大きな値下がリスクが低いもの
  駅からの距離
  生活利便性
  日照が将来失われる恐れは無いか
  空室が多く、修繕積立金の滞納リスクがないか

といったところが、キホンのチェックポイントです。

購入当初は、そのまま定年までにローンを完済し、
住み続けることが目的だったとしても、
10年20年の間に、状況が変わることもありえます。

・途中でローンの支払が厳しくなった、
・生活スタイルが変わり、エリアや立地に不便に感じるようになった
・家族構成が変わり、広さや間取りが合わなくなった

という場合に、
手痛い損切りをせずに、住み替えができる自由を確保するためには、
「不動産投資として成り立つ物件か」
という観点から、住宅取得を検討すると、リスクを減らすことができます。

これから住宅取得される方の参考になれば幸いです。

2011年5月23日 ゆりもとFP事務所メルマガ掲載コラム 再編集


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