【第4のワザ】保険見直しのはずせないポイント その2

ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ

保険見直しについて真剣に考える前に、まずひとつ質問です。

「保険って、本当に必要なんでしょうか?」

保険が必要な理由

結論から言えば、《まったく使う予定のない貯蓄が何千万円もある》というような恵まれたご家庭を除けば、保険はあったほうが安心です。

なぜなら、家計の主な収入源となる人にアクシデントが起こると、いくら貯蓄を増やす工夫を実践していたとしても、貯蓄が10倍になることはありません。
それどころか、あっという間に底をつき、周囲に迷惑をかけてしまう可能性すらあります。

そこで、「万が一」が起きても家計が崩壊しないように、《保険》という形で備えを用意しておけば、安心して貯蓄倍増を目指すことができます。

ただし、もしその保険料が高すぎるとしたらどうでしょう。
――万が一への備えは万全でも、普段は貯蓄がまったく増えない。そんな本末転倒になってしまう危険もあります。

悩ましいですが、ここはやはりバランスが大切です。そこで今回は、第4のワザをご紹介します。

【第4のワザ】
サイズと予算のバランスが取れた保険見直し

では、保険を見直すには何から始めればよいのでしょうか。

あなたに必要な保障は?

多くの方は、まず「保険料の安さ」で選びがちです。
しかし、それではベストな選択ができない恐れがあります。

たとえば、とても安い洋服を買えたとしても、サイズが合わなければ着こなせませんよね。
買い物上手の秘訣は「自分が欲しいものを明確にすること」そして「自分に合ったサイズを選ぶこと」です。

保険に当てはめれば、「サイズ」とは 適正な保障内容 のこと。
まずは、ご家庭の家族構成・職業・ライフステージ・人生観に合った保障の内容と金額を理解する必要があります。

たとえば自営業のご家庭なら、死亡時の保障ももちろん大切ですが、病気やケガで働けなくなったときこそ最大のピンチです。
収入が途絶えるうえに医療費もかかる――そんなダブルパンチに備える必要があります。

また、「私は100歳まで生きる!」と決意されている方は、いわゆる「長生きリスク」への対策も必須です。
「長生きしたほうがお得」になるような保険の入り方をすれば、安心して長寿を楽しめます。

あなたにとっての適正価格は?

次に考えるべきは「価格」です。
ここで気をつけたいのは、「安い」の基準は人によって違う ということ。

たとえば、親戚の結婚式で留袖が必要になった場合――「着るのは5年に一度くらい。収納スペースもない」なら、レンタルが最も安く済みます。
「親戚付き合いが多く、毎年のように着る。着物ダンスもある」なら、購入したほうが結果的にお得でしょう。

つまり、保険でも同じように、

  • 「当面必要な保障を、とにかく安く準備したい」
  • 「一生涯の総支払い額をできるだけ抑えたい」

このどちらを優先するかで、選ぶ保険は変わってくるのです。

あなたに必要な“バランスのとれた保険”は?

家計がカツカツでピンチ度が高いご家庭は、まずは当面の保障を最低限の費用で備えることが賢明です。

一方、多少の余裕があるご家庭なら、「夫婦それぞれ、何歳くらいまで生きるだろうか」と老後の生活をイメージしてみてください。その上で、保障内容と払込総額のバランスをじっくり検討してみましょう。

「ここまでは保険でカバーしたい」「これ以上は予算オーバーだから、残りは貯蓄で備えよう」と、保障と予算の両面で納得できるラインを見つけることが大切です。

保険見直しのまとめ

  1. 安全性の高い保険会社を選ぶ
  2. 必要な保障を満たす
  3. そのうえで最もリーズナブルな商品を検討する

もし予算内で全てをカバーできない場合は、一番落とせない保障から優先順位をつける ことがポイントです。

この手順で保険を見直せば、納得できる最適な選択ができるはずです。

このコラムを書いた人

圦本 弘美(ゆりもと ひろみ)/ FPのご紹介 - 株式会社FPフローリスト

ゆりもとFP事務所 代表
株式会社FPフローリスト 代表取締役社長

ゆりもと ひろみ

ファイナンシャル・プランニングで
日本を元気にします!

  • CFP®認定者
  • 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
  • 宅地建物取引士
  • 一種外務員