【第13のワザ】これで納得! 医療保障の考え方

ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ

今回は、「医療保険って本当に必要なの?」「私や主人は入ったほうがいいの?」と疑問をお持ちの方に役立つお話をしたいと思います。

普通、医療保険を選ぶ時に、判断の基準になるのは月々の保険料であることが多いですね。
「入院日額○○円が、月々○円で用意できます」という宣伝をよく見かけることと思います。

これは間違いではないのですが、一生お世話になる終身タイプの医療保険を選ぶなら、もうひとつ大事な金額がかくれていることを見落としてはいけません。

それでは、第13のワザをお送りします

【第13のワザ】
「保障」と「保険料」の総額を把握する

Question
ある会社の医療保険に35歳の女性が加入したとします。

入院日額1万円(通算1,000日)で期間は終身。
月々の保険料は1万円で、60歳で払込完了。
※実際には1入院の限度日数や手術給付金など細かい条件がありますが、ここでは単純化してお話します。

Answer

受け取れる最高額は
1万円 × 1,000日 = 1,000万円

支払い保険料の総額は
1万円 × 12ヶ月 × 25年 = 300万円

つまり「この医療保険に入る」というのは、最高1,000万円を受け取れるという保障を、合計300万円で買うことでもあるのです。

保険を違った角度でみる

月々の保険料と保障額を比べるだけでなく、支払い総額と受け取れる可能性を見比べると、違ったことが見えてきます。

  • 一生の入院日数が300日以下なら、支払い総額の方が大きくなる
  • 逆に300日以上入院するなら、受け取れる金額の方が多くなり助かる
  • 加入後すぐに長期入院になれば、大きな保障を受けられてありがたい

医療保険に入るべきかどうか、目安をまとめると――

  • 医療保険は不要かも?
     健康に自信があり、払う分をきちんと貯蓄できる人
  • 医療保険は必要かも?
     長期入院の可能性を気にする人、貯蓄の取り崩しが不安な人、または天引きで強制的に備えたい

最近のトレンド:がん保険も検討を

ここ数年、医療保険に加えて「がん保険」への注目が高まっています。
理由はシンプルで、がんの治療費は高額になりやすいからです。

抗がん剤治療や最新の放射線治療は、健康保険の自己負担が大きくなるケースもあります。さらに、治療が長期化すると通院や先進医療、交通費や差額ベッド代など、自己負担が重くのしかかります。

がん保険で備えられる主な保障内容

  • 診断一時金
     がんと診断された時にまとまった金額(一時金)が受け取れる。
     治療費だけでなく、収入減や生活費の補填にも使える。
  • 入院・通院保障
     がん治療は長期の通院になることも多い。入院だけでなく、外来での抗がん剤・放射線治療にも対応するプランがある。
  • 先進医療保障
     粒子線治療など、高額な先進医療の自己負担分をカバーできる。
  • 手術給付金
     がん手術を受けたときに給付される。
  • 収入サポート型(商品によっては)
     働けなくなった場合に毎月給付されるタイプもある。

こうした保障があることで、がんにかかったとき「治療をためらわず選べる」安心感につながります

まとめ

医療保険やがん保険は、「安心料」としての側面が強い商品です。
入るかどうかは、自分や家族の健康観・貯蓄力・リスクの受け止め方によって答えが変わります。

ただし、保障を充実させたいあまり「入院してモトを取りたくなる」ほど高い保険料にしないことも大切です。

保険料総額と保障内容を比べながら、医療保険に加えてがん保険も視野に入れ、納得できるかたちで選びましょう。
そして何より、保険に頼りきりにならず、健康管理や体力づくりを心がけてくださいね。

このコラムを書いた人

圦本 弘美(ゆりもと ひろみ)/ FPのご紹介 - 株式会社FPフローリスト

ゆりもとFP事務所 代表
株式会社FPフローリスト 代表取締役社長

ゆりもと ひろみ

ファイナンシャル・プランニングで
日本を元気にします!

  • CFP®認定者
  • 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
  • 宅地建物取引士
  • 一種外務員