【第16のワザ】生涯収入で2億円も損!?本当にフリーターでいいの?

ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ

今回は、あなたとお子さんの将来に起きるかもしれない「ピンチ」を防ぐためのお話です。

一生涯の収入差は2億円

今や、若者の3割近くがフリーターと言われています。就職活動がうまくいかなかったり、入社したものの合わずに辞めてしまったりと事情はさまざまですが、「他にしたいことがないのでとりあえず」「気楽でいいから」といった理由で選んでいる人も少なくないようです。

でも、ちょっと待ってください。目的意識もなく、スキルも身につけないままフリーターを続けているとどうなるでしょうか。

30歳を過ぎても低賃金でしか働けず、さらに若い世代が安い賃金で働き始めれば、雇ってもらうこと自体が難しくなります。年齢が上がってから慌てて就職活動をしても、多くの会社はフリーター期間をキャリアとして評価してはくれません。

アルバイトでどんなに働いても、年収は200万円前後。一方、正社員なら平均で500万~600万円程度は見込めます。その差は一生涯でなんと約2億円。

これは「住宅・子ども2人の教育費・老後資金」を合わせた、人生の3大資金に匹敵する金額です。お子さんがこれらを賄えない状態だと、親としては老後設計まで狂ってしまいかねません。

こんなピンチを防ぎ、子どもたちに納得のいく人生を歩んでもらうにはどうすればよいのでしょうか。

それでは、第16のワザをお送りします。

【第16のワザ】
子どもを「インディペンデント(経済的に自立)」させる

「人の役に立つ」ことが成功のカギ

欧米では「インディペンデント(独立)」の条件として、「経済的に自立している」ことを非常に重視します。もともとは不労所得で生活できる人を指していましたが、やがて「自分の稼ぎで家族を養える人」という意味へと広がっていきました。

そのため、自己確立も収入の目処も立っていない状態での恋愛や結婚はご法度、といった社会風潮が長く存在しました。
背景は異なりますが、日本でも「子どもを経済的に自立させる」ことを教育のターゲットに入れるのは、とても有効だと思います。

そのために必要なのは、学校教育やマネー教育だけではありません。もっともベースになるのはお金と社会に対する人生観です。

子どものうちから、人生にプラスの目的を持ってもらいましょう。
「人の役に立つことでお金は得られる」「多くの人の役に立つほど収入も増える」――こう伝えてあげることです。これは、親の力量が試される場面でもあります。

経済活動を通じて「人の役に立つ」「与えていく」という価値観が根付いている子は、長い目で見て成功する可能性が高いでしょう。

また、最近は「勉強や仕事を頑張っても無駄だ」という声もありますが、正しくは努力が人の役に立たなければ無駄になるということです。努力の方向と、提供できる価値を結びつけられる子が、経済的にも成功していきます。

教育は家庭における最大の投資ともいえます。価値観をしっかり押さえたうえで、どのような教育を受けさせたいのか、費用をどう準備するのか――早い段階から家族で話し合っておきたいものです。

フリーターのお子さんがいる場合は

現在フリーターのお子さんがいるなら、ぜひこう伝えてください。
「30歳までが勝負。30歳までに、自分が打ち込める仕事を見つけて、きちんと食べていけるようになろう」と。

また、「自分を活かせる仕事」にこだわって進路を決められない子には、こうアドバイスしてあげてください。
「まずは一度、きちんと勤めてみよう。本当に自分に合った仕事を探すなら、最初は与えられた仕事で構わない。責任を持って一生懸命取り組んでみることが必要だよ」と。

高望みから離れて目の前の仕事に集中することで、意外にも道が開けることがあるのです。

このコラムを書いた人

圦本 弘美(ゆりもと ひろみ)/ FPのご紹介 - 株式会社FPフローリスト

ゆりもとFP事務所 代表
株式会社FPフローリスト 代表取締役社長

ゆりもと ひろみ

ファイナンシャル・プランニングで
日本を元気にします!

  • CFP®認定者
  • 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
  • 宅地建物取引士
  • 一種外務員