【第32のワザ】 一番明確な支出・教育費

ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ

皆さんは、子どもの教育について情報収集をしていますか?

多くのご家庭では、お子さんが大学進学を望めば、行かせてあげることをお考えだと思います。また、教育環境や将来のことを考えて、「高校から私立」「中学から私立」「小学校から私立」を検討しているご家庭もあると思います。
私立か公立か迷う場合は、高いほうで見積もって準備するのが賢明ですね。特に親世代の学習事情とはかなり変わっているので、「無理に塾や私立に行かせなくたって大丈夫じゃないか」と、情報収集をしないでいると、あとで大変あせることにもなります。

私学進学は、より良い教育環境を求めて希望する場合もありますが、最近では、公立で最低限望む学習環境が満たされないため、私立を選ばざるを得ない地域も、増えているようです。
例えば、東京のある街に、地方からご主人の栄転で引っ越してこられた奥様が、大変困惑していると、話を伺ったことがあります。子どもが転入した小学校のクラスが、いわゆる学級崩壊だったのです。

「机ごと教室を徘徊して騒ぐ児童がいて、授業が成り立っていない、この先どうすればいいんでしょう。中学受験なんて、よその世界の話と思っていただけれど、これでは考えざるを得ないです」というお話でした。

もちろん、良い公立学校や、素晴らしい先生もたくさんおられますので、心配ないケースも多いでしょう。また、親である私たちが、地域や学校をよりよくするために、できるだけの協力をすることも欠かせないでしょう。

皆さんの町が、「安いから公立におまかせ」といえる町かどうか。お子さんが生まれたら少しでも情報収集をし、場合によっては私学進学や引越しを視野に入れておく必要があるかもしれません。その時に臨機応変な進路変更をするためにも、必要なのは資金準備ですね。

それでは、第32のワザをお送りします。

【第32のワザ】
18年後の確定支出に備える

国公立200万円 / 私立300万円

お子さんが生まれた瞬間、大学進学のため、18年後の1~3月に、教育費のピークが来ることは確定しますね。受験費用も含めると、大学進学初年度に、国公立で200万円、私立なら300万円の資金を準備しておきたいと言われています。これほど、目的・金額・時期が明確で動かせないライフイベントは、他にはあまりありません。

住宅購入や車・旅行・そして老後資金も、事情によって時期をずらしたり、予算を変更することは可能です。一方教育費は、一浪してズレても1年程度です(でも、浪人を見込んだ資金計画はしませんよね。そうすると準備期間は、やはり確定します)。

金額も、大学4年間(授業料+その他もろもろ)で、国公立なら400万円、私立なら500~600万円くらいと言われています。教育費インフレを考えると、必要金額が増えることはあっても、減ることはあまりなさそうです。

教育支援制度はどのように考えるべきか

2025年4月以降、扶養する子どもが3人以上いる多子世帯は、所得制限なく授業料や入学金が無償化されるという制度も始まっています。ただ条件に該当しない場合は受け取れませんし、今の赤ちゃんが大学生になるまでこの制度が継続していることを当てにしても、もしも新しく生まれて来てくれた子どもの受験までに制度が変わってしまうと、進路計画が狂ってしまうこともあり得るので、ある程度の備えはしておくことをお勧めします。

積立にする? 一時金にする?

教育費の準備として、具体的な方法はいくつか考えられます。
積立での準備の場合、教育費を備えるための実質の準備期間を17年間と考えますと、お子様が生まれてから、毎月1万円を積み立てていくと、17年で約200万円、毎月1.5万円ずつ積み立てていくと、17年で約300万円となります。

積立が向いていないという方は、一時金で固めていく、というやり方もOKですよ。50万、100万とまとまったお金を早めに作って、将来の学資用として、金融商品で増やしていく方法です。最低限200~300万円の準備ができていれば、大学進学時に、資金繰りで四苦八苦することは防げます。

そして、大学用の資金のメドがついていれば、高校や中学受験も現実可能性として検討することができます。先を見ないで、中学から私立に入れ、後で大変な思いをしている家庭から、少なからず相談を受けています。なのでまず、大学用資金を押さえることをお勧めしたいと思います。


ただ、実際のところ、今、このコラムをお読みの皆さんのなかで、17年の資金準備期間がある人は、少ないのではないかと思います。多くのご家庭では、お子様の大学進学まで、「あと10年後」「あと5年後」「あと1ヵ月後!」などということで、期間に応じた危機感の中にあると思います。こういう場合は、住宅ローンや保険・資産の整理、家計支出の見直し、などを含めた資金捻出や、借入れの検討が必要になってきます。

自力で収支の整理をするのがご不安な方は、FP相談を承っております。専門家を交えて、現状・問題点・目指すゴールを整理されることをお勧めします。

このコラムを書いた人

圦本 弘美(ゆりもと ひろみ)/ FPのご紹介 - 株式会社FPフローリスト

ゆりもとFP事務所 代表
株式会社FPフローリスト 代表取締役社長

ゆりもと ひろみ

ファイナンシャル・プランニングで
日本を元気にします!

  • CFP®認定者
  • 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
  • 宅地建物取引士
  • 一種外務員