医療保険最新事情 2013
2013年09月17日
ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ
皆さんが保険を見直しされたのは、何年前くらいでしょうか?
ここ数年で、新たなネット系の保険会社が誕生したり、次々と新しい保障がついた商品がでたりしています。 一方、2013年4月からの予定利率引き下げで、貯蓄性の保険を中心に保険料が上がってしまったものも多くあります。
そのような目まぐるしい動きの中で、明らかに保障が手厚くなって、保険料が割安になった、という傾向が見える保険種類があります。 それは、「医療保険」と「がん保険」です。
今回は、最近の保障ニーズに合わせて、どのような保障が充実しきているか、みなさまの場合は対策を取るべきかを、確認したいと思います。
医療保険、がん保険の最近の傾向をまとめますと、主に以下の3つの特徴があります。
1.短期入院でも手厚い保障
ひと昔前の入院保険は、「5日以上入院すると、入院給付金が支払われます」という内容が多かったんですね。 一方、厚生労働省の「患者調査」によると、平均の入院日数は、次のように変化しています。
H17年 | H20年 | H23年 |
---|---|---|
37.5日 | 35.6日 | 32.8日 |
ご覧のとおり、入院日数は年々短期化する傾向にあります。 そのため、最近の医療保険では、「日帰り入院でも、給付金が受け取れます」といった保障が増えてきています。 入院日数は短くなるが、医療費の負担は増加傾向にあることへの備えることができる保障にシフトしてきています。
2.先進医療の保障がさらに手厚く
「先進医療」という治療をご存知ですか?
厚生労働省が認定した、最先端で一定の治療効果がある医療技術のことです。 この治療を受ける場合、かかる費用は、患者が全額自己負担になります。 病状によっては非常に効果の高いと言われている治療がありますが、治療費が数百万円かかるケースもあります。
「先進医療を利用することになった場合に、かかる費用を全額や一部負担します」という保障を、 特約でつけることができる医療保険が増えてきています。
また、数年前は先進医療の自己負担を「一生で500万円保障します」と言っていた保険会社が、 新商品では「1,000万円保障します」「2,000万円保障します」と保障内容を充実させてきている傾向が見受けられます。 特約保険料としては、月額数十円〜数百円と安いので人気があり、「先進医療特約がつけられる医療保険に加入したい」という相談も増えています。
3.がん保障が手厚く
ひと昔前は、入院や手術給付金が手厚いタイプが多かったのですが、 最近は入院・手術を伴わないがん治療が増加傾向にあり、 せっかくがん保険に入っていたのに、ほとんど給付金を受け取れない、という事態も起きています。
そのため、最近のがん保険は、「がん診断を受ければ、一時金で100万円が受け取れます」 といった、診断に対して給付金が出ることを重視するものが増えつつあります。
保険会社によっては、「2年経過後なら、がんが再発した場合、 同額の一時金をお支払します」という、再発対応の保障を出してきています。
がん診断給付金が受け取れれば、経済的、精神的にある程度安心しながら、治療に専念することができますね。
以上、最近の医療保険で手厚くなってきた保障を確認いたしました。 みなさんが現在加入している保険には、希望の保障はついていますか? 保障を充実させたいという方は、保障の見直しや追加加入を検討されるとよいかも知れません。
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