家計見直しのワザ47【第5のワザ】あなたが使うお金の価値を高める
ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ
「家計を見直したいけれど、どこから手をつければいいのか分からない」「食費や光熱費はこれ以上削れないくらい頑張っているのに、なぜか貯金が増えない」
――そんなお悩みをお持ちの方はいませんか?
今回ご紹介する方法を使えば、「使ったお金がムダになっていないか」を簡単にチェックできます。
それでは、第5のワザです。
【第5のワザ】
「投資」と「消費」の違いを知る
お金の価値を高める「投資」とは
「投資」と聞くと、「株や投資信託のこと?」と思う方もいるかもしれません。
でも、ここでいう「投資」は少し違います。
私が指す「投資」とは、そのお金を使うことで、金額以上のメリットや長く続く幸福が得られる支出 のことです。
たとえば、多くの人は人生で最大の買い物としてマイホームを購入します。そこには「家族が安心して暮らせる空間に価値がある」と考えるからです。家を持てば、地域との関係づくりや住環境への意識も高まります。そうして暮らしやコミュニティが豊かになるなら、マイホームは立派な「投資」といえるでしょう。
ただし、住宅ローンの利息分の支払いは「投資」とは言えません。頭金を多めに入れたり、計画的に繰上返済を進めたりして、利息を減らす工夫が大切です。
子どもの教育費もまた大きな「投資」です。子ども時代に培った学力や体力は、将来の社会生活で必ず役立つ「生きる力」になります。
このように、支払った金額以上の価値を生む支出は「投資」 です。
一方で、その場限りの気晴らしで何も残らない支出は「消費」 です。
(なお、ムダと分かっていながら見栄や衝動で使ってしまうお金は、「浪費」と呼ぶべきかもしれませんね。)
家計簿や支出リストを見直して、「消費」にお金をかけすぎていないか、「投資」にきちんと回せているかを確認してみましょう。
「投資」に見えて「消費」なもの
ここで、もうひとつ注意点があります。
一見「投資」に見えても、実は「消費」になっている支出です。
たとえば子どもの塾代や習いごとは、一見「投資」です。
しかし「塾のレベルが合っていない」「子どもがやる気を失って遊び場になっている」なら、それは残念ながら「消費」になってしまいます。お子さんに合った学習方法や環境を改めて選び直す必要があります。
また、大人の場合も同じです。「自己投資」と言って本をたくさん買い込んでも、1年経ってもページをめくらないなら、それは投資とは言えません。本当に読みたいときに必要な一冊を買う方が、結果的にムダが少なくなります。
今回のまとめ
第1ステップ:支出を「投資」と「消費」に分け、「消費」を減らす。
第2ステップ:一見「投資」に見える支出の中にムダがないかチェックし、より価値ある使い方に改める。
この2段階で家計を見直せば、使ったお金の価値をぐんと高めることができます。
このコラムを書いた人

ゆりもとFP事務所 代表
株式会社FPフローリスト 代表取締役社長
圦本 弘美
ゆりもと ひろみ
ファイナンシャル・プランニングで
日本を元気にします!
- CFP®認定者
- 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
- 宅地建物取引士
- 一種外務員

