家計見直しのワザ47【第8のワザ】めざせ!マイホーム取得!を成功させる秘訣 その3
ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ
前回のワザ「家に何を望むのかをはっきりさせる」で、家を買う(建てる)目的は明確になったことと思います。
次は、希望にかなった家選びを始める段階ですが、選択肢は「新築か中古か」「戸建てかマンションか」だけではありません。
「住まい方」にはさまざまな方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。例えば――
◆ 賃貸
- ライフスタイルや家族の人数に合わせて、気軽に住み替えることができます。
- 一生家賃の支払いは続きますが、住宅ローンというリスクを負わずに済みます。
- 固定資産税などの持家特有のコストも不要です。
→ 無理な住宅ローンで家計に大きなダメージを与えるより、賢明な選択となる場合もあります。
◆ 持家
- 一生住み続けられる住まいを確保できるのが最大のメリットです。高齢になった際に賃貸の審査で不安を抱えなくて済みます。
- 希望のリフォームや改装も自由にできます。
- 不動産という資産を持つことができます。
- 住宅ローン契約時に加入する団体信用生命保険により、万が一の時でも家族に住まいを残すことができます。
家族にとっての「満足」と「コスト」のバランスをどう取るか。ここで大切なのは、しっかり家族で話し合いを重ねることです。ですが、忘れてはならない視点があります。
それは、「満足が続く時間はどれくらいか」ということです。
そこで、第8のワザをお伝えします。
【第8のワザ】
10年間は「満足」が続く住まいを選ぶ
今の時点で「一番大切にしたいこと」が叶う家でも、その満足はどれくらい持続するでしょうか。さらに、予想外だけどありがちな出来事が起きても対応できる住まいでしょうか。
例えば――
- 4人家族で「この広さなら大丈夫」と思って購入した直後に3人目が生まれ、さらに親御さんを引き取って6人家族になってしまったケース。
- 子どもが小さいうちは1つの部屋で済んでも、思春期には男女別に部屋が必要になるのに、そこを考えず部屋数の少ないマンションを購入してしまったケース。
- 子ども一人ひとりに部屋を用意したいと郊外に一戸建てを購入したものの、わずか数年で子どもが巣立ち、夫婦だけが不便な場所に取り残されてしまったケース。
- 独身時代に「一人で生きていく」と覚悟してマンションを購入した直後に結婚し、夫の住まいに移らざるを得なくなったケース。
「そのときは貸せばいい」と思う方もいるでしょう。しかし、住宅ローンが残っている物件を賃貸に回すには事業用ローンへの切り替えが必要となり、コストが増えることがあります。売却する場合も、ローン残高を下回る価格でしか売れないなら差額を用意しなければなりません。
予定変更に備えた資金的な準備は不可欠です。
数年以内に起こりうる生活の変化を見落とすと、住み替えの際にさらに大きな負担を抱えてしまう恐れがあります。
一生満足して住み続けられる家が理想ですが、ライフステージの変化や予期せぬ出来事は誰にでも起こるもの。だからこそ、少なくとも「10年間は満足して暮らせる家」を目指して選びましょう。
それでは、次回は、住宅取得のもうひとつの大きな買い物である「住宅ローン」の攻略法を、お話したいと思います。
めざせ! マイホーム取得! を成功させる秘訣 その4 へ続く
このコラムを書いた人

ゆりもとFP事務所 代表
株式会社FPフローリスト 代表取締役社長
圦本 弘美
ゆりもと ひろみ
ファイナンシャル・プランニングで
日本を元気にします!
- CFP®認定者
- 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
- 宅地建物取引士
- 一種外務員

