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火災保険 Q&A

2010年9月22日

ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ

今回は、当事務所のお客様からの火災保険に関する質問をご紹介します。

Q.住宅ローンと同じ期間の火災保険に加入し、その後繰上げ返済をしたのに、火災保険の期間は縮まらないし、保険料も返ってこないのはどうしてでしょうか?

A.一般的なお答えとしては、火災保険と住宅ローンは別商品であるため、ということになります。

住宅ローンを繰上げ返済すると、住宅ローンに付随する、団体信用生命保険や保証料は、料金が安くなったり、返金を受けられる場合があります。火災保険は一緒に加入された、というイメージでしょうが、別の商品なので、繰上げをしても、何も影響が無いわけです。

では、どうして、ローンと同期間の火災保険に入ることになっているかといいますと、昔は、金融機関は、住宅ローンを融資するときに、火災保険まで担保に取っていたんですね。これを「質権(しちけん)」といいます。

もし、家が燃えちゃったら、ローンを返してくれないと困るので、火災保険金を、金融機関が優先的に受け取りますよ、という担保です。

けれど最近は、火災保険を質権にとる金融機関はかなり減ってきました。不動産を担保に取り、借りる人の属性を厳しく調べて、給料を担保にとっているのに、火災保険まで担保というのは、取りすぎだー、という話になってきたからです。ちなみに、アメリカの住宅ローンは、基本的に不動産だけを担保に取ります。返済が厳しくなったら、金融機関に「家の鍵を返して」、簡単にローン破産しちゃうので、あれだけ不良債権が出るんですね。

話を戻しますと、火災保険は担保に取らないことが一般的になってきましたので、ローンと同期間の火災保険に加入しなくてもよいケースも、実は増えてきました。戸建の火災保険は35年分入ると結構な額になります。住宅購入時は、何かと持ち出しが多くて大変ですよね。金融機関に確認して、ローンと同期間入らなくてよい場合は、1年とか5年にしておいて、お金の余裕ができてから、長期で入るというワザを使ってもよいと思います。

マンションの場合は、最低の火災補償でしたら、35年分でも10万円台で済むケースが多いので、資金があれば、一括で入っておくといいですね。

2010年6月28日発行 ゆりもとFP事務所メルマガ掲載コラム 再編集


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