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とんでもない保険相談の話

2010年9月27日

ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ

加入している保険の中身は?

保険のご相談に見えられたお客様は、大学生と高校生のお子様がいらっしゃる40代後半のご夫婦でした。

「営業のおばちゃんに言われるままに入っているのですが、もしかして保険料を安くできるのではと思い、相談に来ました」

証券の束を拝見した私は、怒るというより、悲しくなってしまいました。

ほぼ3年おきに、転換(前の保険を下取りして、新しい保険に入りなおすこと)させられており、しかも契約内容は転換の度に不利になっています。

「この証券の数だけ、新しい保険に入り直していたということを、ご理解されていましたか?」

「いいえ、いつもおばちゃんが『また保険が新しくなりました』と いってくるので、そういうものなのかと思っていました・・・」

「その度に新しい保険に加入させられていた訳です。それに・・・、現在の保険には入院保障が全くない、ということをご存知でしたか?」

「えっ、それは知りませんでした!  ここの『特定疾病定期特約』が入院したら出ると思っていました」

「『特定疾病定期特約』はガンなどの特定の病気と診断されると保険金がうけとれる特約です。該当しない病気や、ケガなどで入院 されても、保険金は全くうけとれません」

「ええっ、そうだったんですか! 保険に入っているから、いざと言うときも大丈夫とばかり思っていました」


あっと驚く転換契約、保障の不足・・・。加入されている保険には、他にも、問題点が何箇所もありました。共働きで資産もあるため、計算すると死亡保障は必要ないにもかかわらず、ご主人様6000万円、奥様5000万円の死亡保障を契約しています。おまけに、そのほとんどが掛け捨てで、75歳まで月4万円の保険料を払い続けるのに、終身部分(一生涯残る死亡保障)が200万円以下なのです。

ご夫婦のご希望を整理しながら、見直しプランを作らせて頂きました。

ご夫婦の見直しプラン

 ご夫婦ともに日額7000円の入院保障が一生涯続く。

ご主人さまは死亡保障が必要ないといっても、ご家族への不安が残るので、

 定年まで1000万円の死亡保障を用意し、そのうち300万円は終身の死亡保障を確保する。

これで現在の保険料より若干安くなり、しかも60歳ですべての支払が終了するというプランになりました。お客様は大変喜ばれて、保険の切り替えをされました。


このケースでゆりもとが感じたことがあります。

まず、今回の保険営業の方に対して、
―――生保の営業をされている方は、お客様にとっては保険のプロです。その信頼を裏切らないよう、お客様の実情に合った保険をすすめてあげてほしいと思いました。

そして、保険の見直しを考えている読者の皆様に対して、
―――このケースほど極端ではありませんが、保険会社から「新規プラン」を提案されたのですが…という相談で、現在の保険より不利になる保険プランであった、というケースに、ゆりもとは少なからず出会っています。

何も分からないのでお任せするでは、大変高くつく恐れがあります。月1000円の保険料の差でも、何年、何十年と続けば、数十万円の金額になります。

保険の加入や見直しで迷われている方がおられましたら、まずは本や雑誌で基本的な勉強をされるか、中立的な立場の専門家に相談されることをおすすめします。 ゆりもとFP事務所でも、優秀なスタッフが保険の悩みや疑問に対して、丁寧にアドバイスさせていただいております。ご自身で調べても不安が解消できない場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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