生涯収入で2億円も損しちゃう!本当にフリーターでいいの?
2010年9月29日
ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ
今回は、あなたとお子さんの将来に、起きるかもしれないピンチを防ぐためのお話です。
一生涯の収入差は2億円
今や、若者の5人に1人がフリーターと言われています。不況で正社員として採用してもらうのが難しいため、急増していますが、「他にしたいことがないのでとりあえず」「気楽でいいから」などの理由で選んでいる子も多いそうです。
でも、ちょっと待って! 将来に目的意識もなく、何のスキルも身につけないまま、フリーターを続けているとどうなるか。
30歳を過ぎても、安い賃金でしか働けないことになってしまいます。それに、もっと安い賃金で働く若い子がどんどん出てくるので、雇ってもらうこと自体が難しくなります。年齢が上がってきて、あわてて就職活動を始めても、フリーターの期間はキャリアとは見なしてくれない会社がほとんどです。
アルバイトでどんなに働いても、年収150万円がやっとでしょう。かたや、きちっと目標をもって自己投資を続けながら働けば、生涯の平均年収は500〜600万くらいはいくでしょう。この差は一生涯で、なんと「約2億円」にもなります。
これは人生の3大資金である、「住宅・子供2人の養育・老後資金」の合計額に匹敵します。あなたのお子さんが3大資金を賄えない状態だと、心配で、ご自分の老後設計まで狂ってしまいそうですね。
こんなピンチを防ぎ、子供たちにも自分らしい、納得のいく人生を送ってもらうには、どうすればよいのでしょう?
それでは、第16のワザ をお送りします。
子どもを「インディペンテント(経済的に自立)」させる
「人の役に立つ」ことが経済的成功の要因
欧米で「インディペンデント」(独立)している状態を考える時、「その人が経済的に自立している」ということを、とても重要視する文化があります。本来は、貴族や大地主といった不労所得によって生計が立っている人」のことを指していましたが、やがて広義に解釈され、「自分の稼ぎで、自分及び家族を養える人」という意味合いになりました。
ですから、自己確立と収入のメドがない状態での恋愛や結婚はご法度! みたいな社会風潮が長らくあり、その中で、ジッドの「狭き門」のような、切ない恋物語が生まれました。21世紀の日本とは、時代も場所も異なりますが、子育てに、「インディペンテント」させることをターゲットとして入れるのは、大変有効であると思います。
そのためには、学校教育やマネー教育も、もちろん大切ですが、1番ベースになるものは、お金と社会に対する人生観です。
子どものうちから、人生にプラスの目的性をもってもらうこと。「人の役に立つことで、お金が稼げるんだよ。たくさん役に立った人は、たくさん稼げんるんだよ」と教えてあげることです。
これは、お母さんの力量が、一番ためされるところです。
経済活動をする中で、「人の役に立つ」「与えていく」という観点が、精神に根付いている子は、長い目で見て成功する可能性が高いでしょう。
また、最近、「一生懸命勉強したり、仕事しても無駄だ」という風潮もありますが、「努力しても無駄」なのではなく、「努力の内容が、人様に役立つと判定されないと無駄になる」ということです。「努力」の方向と、「与える」「提供できる」ものをうまくリンクさせることができる子が、経済的にも成功していくのです。
教育こそが、家庭における1番重要な投資項目かもしれません。ベースになる価値観を押さえた上で、子どもにどういう教育をつけたいか、費用はどう準備するかは、早いうちから家族でしっかり話し合っておきたいものです。
なお、現在フリーターのお子さんがいらっしゃる場合は、「30歳までが1つの勝負なのよ。30歳までにきちんと食べていけて、自分が打ち込める仕事を見つけるのよ」とお話してあげてください。
「自分を活かせる仕事」という言葉にとらわれて、進路を決められない子には、「まずは一度、きちんと勤めてみなさい。本当に自分に向いた仕事を見つけたいなら、最初は与えられた仕事でいいから、責任を持って一生懸命に取り組んでみることが必要ですよ」とアクションを促すことで、高望みから離れ、道が開けることもあります。
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