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マイホームの買い時、どう判断すればいいの?

2009.2.20

部屋 Q. マイホームを購入したいのですが、「頭金2割を貯めてから買うのがセオリー」とよく聞きます。それまで待ったほうがいいですか?
相談者 : Nさん(33歳・会社員)/夫(35歳・会社員)、長女2歳、今年第2子出産予定

 夫婦の年収: 計700万円(税込)
 住宅購入用貯蓄: 200万円
 現在の家賃: 月14万円
 マイホームの予算 :3500万円


A.住宅購入は、「何歳までに支払いを終えたいか」を柱にして計画を立てましょう。

「頭金2割用意」は、必ずしも当てはまらない?

ゆりもと(以下「ゆ」) Nさんは、もうすぐ2人目のお子さんがお生まれになるということですが、2人目のお子さんが大学を出るころ、ご主人は何歳ですか?

デフレ Nさん(以下――) 57歳になりますね。

 ということは、リタイヤが65歳とすると、教育費の大きな負担がなくなってから8年経つと年金生活に入れるわけですね。定年後も住宅ローンの支払いが続くとしたら、どう思われますか?

―― 年金生活に入ったらローンの支払いは厳しいので、65歳までに払い終えたいです。

 退職金を住宅ローンの完済にあてても大丈夫ですか?

―― できれば、退職金は老後資金に回したいので、それをあてにせずローンを完済したいんです。ただ「頭金を2割貯めてからのほうがよい」と聞いたので、もう少し貯めてから購入したほうがいいのかなと思って…。

 日本では、ここ10年以上デフレが続きました。デフレの時代は物価も上がらず、お給料も上がりにくいので、借金をすると金利負担が重いのです。

また、当時は物件価格の8割までしか貸してくれない金融機関が多かったので、借り入れや返済が確実にできるように、「頭金2割」の準備が推奨されていました。

ただ、現在は金融機関の競争で住宅ローンの品揃えが大変豊富になりました。物件価格の100%近い融資を受けられたり、全期間大幅な金利優遇をしてくれる、魅力的なローンが登場したりしています。また、2008年後半から、不動産価格の下落傾向が顕著になってきたことや、住宅ローン減税が復活したことで、割安に不動産を取得できるチャンスが出てきました。

ところで、Nさんは、頭金2割を貯めるのに、何年かかりそうですか?

住宅取得成功には、「返済期間」「自己資金」「不動産価格」「金利動向」
の総合的判断が必要な時代になりました。

―― 現在、住宅用の貯蓄は200万円です。年間100万円ずつは住宅用に貯蓄可能なので、計700万円(3500万円の2割)にするには5年かかります。

インフレ  ご主人が65歳になるまでに返済を終わらせようとすると、今年購入した場合は完済まで30年です。頭金を貯めるために5年遅らせると、25年以内に完済しないといけなくなります。どちらが住居費コストの総額を抑えることができるか、考える必要があります。

―― 住宅ローン金利は、今後どうなるんでしょうか?

 日本では長らく低金利が続いています。2008年の世界金融危機などの影響で、金利が上昇しにくい環境はしばらく続きそうですし、金融機関の金利優遇キャンペーン合戦も盛んです。すぐに金利が急上昇することは考えにくいですが、長期で見れば上がっていく可能性は十分あります。

―― ということは、金利が低いうちに買っておいたほうがいいですよね。

頭金を用意するより、早めに購入したほうがよいケースも

 今後金利が上昇していくとすると、購入を遅らせて借入額を減らしても、金利負担が増えてしまう可能性はありますね。Nさんの場合は、共働きを続けるご予定で、将来の収入見込みは比較的安定していること、現在会社からの住宅手当は受けていないこと、住宅購入の諸経費や引越し代分の貯蓄は準備できていることなどから、今年購入されるほうが、ライフプラン上の資金繰りもよくなります。

住宅ローン減税が、平成25年(2013年)まで延長されることになりましたので、これもプラス要因になりますね。今後30年間の収支を計算した上で、慎重にお決めください。

―― 住宅購入にあたって、「ローンの支払いをいつ終了させるか」という考え方は、とても参考になりました。しっかり資金計画を立てて、可能なら1年以内に購入したいと思います。

住宅ローン減税 : 税制改正で減税額が大幅にアップします。

2008年に入居の場合の最大控除額は160万円でしたが、2009年入居の場合は500万円になります(長期優良住宅の場合は600万円)。
住宅ローン減税
※長期優良住宅とは、いわゆる「200年住宅」のこと。

完済できる見通しを立てた上で購入を!

家族の夢 インフレになり、物価や株価が上がり始めると、住宅ローンの金利も上昇する可能性が高くなります。金利が上がると返済額が増えてしまうので、早めに購入したほうがお得になる場合もあるので、今年あるいは数年後に住宅購入をお考えの方は、経済動向を見ながら判断しましょう。

ただし、諸経費の資金も貯められないご家庭が、全額ローンで住宅購入をするのはおすすめできません。高額のローン返済ができる収入があるのは60歳〜65歳までですので、それまでに住宅ローンを完済できる見通しを立てた上で、購入に踏み切るのが基本です。

人生でいちばん高額のお買い物です。返済計画をしっかり立てて、夢を実現しましょう!

ゆりもとひろみ

雑誌『アー・ユー・ハッピー?』2008年3月号掲載分 2009.2.20 再編集


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