住宅ローンの借り換え、どうすればいい?
2009.2.25
Q. 2001年に新築一戸建てを購入し、住宅金融公庫(現在は住宅金融支援機構)でローンを組みました。2年後に金利が4%に上がってしまうので、借り換えたほうがよいと思うのですが、注意点を教えてください。
相談者 : Tさん(41歳・専業主婦) / 夫(41歳・会社員)、長男(小5)
A.現在、民間金融機関の金利は低めなので、今借り換えるとメリットが出そうです。
(注:旧住宅金融公庫で融資を受けた方の金利は「2段階金利」といって、当初10年より11年目以降は高い金利になります。)
まず、Tさんの住宅ローンの現状を見てみましょう。
旧住宅金融公庫の借り入れ条件は、「当初金利2.8%、11年目以降は4%」というものでした。
ローンの現状
では、現時点で「全期間固定金利3%」の民間ローンに借り換えると、どうなるでしょうか。
民間ローン 全期間固定金利3%に借り換えた場合
借り換えることで、474万円の節約になります!
(注:実際の借り換えの場合には、諸経費や金利・繰り上げ返済の計画により試算結果とは異なる可能性があります。また、一般に、前のローン借り入れ時に一時払いした保証料の未経過分は戻ってきますが、上記の計算には含めていません。)
諸経費 : 借り換えにかかる費用 (新規で住宅ローンを組む場合とだいたい同じです。)
◆ Tさんのローン金利選びの考え方 ◆
残りの返済期間が27年ですと、「全期間固定金利」が安心です。ただし、計画的な繰り上げ返済や、退職金での一括完済が可能なら、当初15年または20年固定金利のほうがメリットを出せるかもしれません。
年間のローン返済額が税込年収の25〜35%におさまることが、ローン審査の通る目安となります。
35%を超えていると借り換えが厳しい場合もあります。また、自動車ローンやカードローンなどがある場合、住宅ローンを含むすべてのローンの年間返済額で判断されます。
さらに、カードはキャッシング枠があるだけで借りていると見なされますので、ご注意を。返済額が大きくてローンが通らない場合は、他のローンを完済する、カードの不要なキャッシング枠を解約する、配偶者の収入を合算してもらう方法などがあります。
(最近は正社員でなくてもローンが借りられる場合や、収入合算してくれる金融機関が増えてきました)。
第一抵当権設定ができ、ローンの残債を不動産の時価が上回っていることが目安となります。
返済比率をクリアしていても(税込年収の25〜35%)、担保評価が低いと審査が通らないケースもあります。ただ、担保割れでも収入が安定していれば柔軟に対応してくれる金融機関もありますので、複数社あたってみるのも手です。
一般に、保証料無料など有利な条件のローンは、担保評価を重視する傾向があります。
前のローンの残債と同じ返済期間となります。
前のローンより返済期間を延ばすことは通常できません。返済期間を短くすることは、返済額に余力があれば可能な場合があります。返済期間を短くすると、支払利息をより多く減らせますので、返済に無理がなければ1年でも短くしたいものですね。
景気低迷時は、株安や給料ダウンなど、家計へのダメージが多いのですが、住宅ローンに関しては、低金利のため、借り換えで負担を減らせる可能性があります。現在のローン残高や金利、今後返済する金額を確認してみましょう。そのうえで、繰り上げ返済や借り換えでメリットが出せないか調べてみることをお勧めします。
以前は、借り換えでおトクになるのは「金利差1%」「返済期間の残りが10年以上」「借入残高が1000万円以上」の場合と言われていました。現在は、さまざまな種類の住宅ローンが登場してきましたので、条件にあてはまらなくてもメリットが出るケースもあります。
借り換えを検討する際には、金利だけでなく、借り換えの諸経費を負担してもメリットが出るかどうかをチェックすることが大切です。保証料は必要か不要か、繰り上げ返済の手数料がいくらかかるのか(または無料か)などは重要なので、確認するようにしてくださいね。
ゆりもとひろみ
雑誌『アー・ユー・ハッピー?』2008年7月号掲載分 2009.2.25 再編集
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