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才能を生かすコースの教育費、いくらかかる?

2008.02.25

Q. 子どもをスポーツや芸術、音楽の分野、あるいは歯科大学や海外留学など、才能を生かす方向で考えています。それぞれ、どのくらいの教育費がかかるのでしょうか。


A.医歯学系は私立で計2000万〜3000万円、海外留学は年間300万円くらいが目安です。それぞれの分野にお子さまを進学させたケースを聞いてみました。

教育費の実例いろいろ

CASE1 私立歯科大に進学(アパートで1人暮らし)・・・合計6年間で3920万円

入学の年 1020万円 (学費970万円、生活必需品・住居費30万円、パソコン20万円)
歯医者さん その後の毎年の費用 580万円 (学費400万円、生活費・住居費の仕送り15万円×12ヶ月)

 お母さんからひと言 
家が歯科医院で、本人の希望もあって進ませました。学費が高いため早めの準備が必要です。一般推薦で合格しました。ペーパーテストの他に論文と面接があるので、日頃から幅広い知識、一般常識を身につけておく必要もあります。

CASE2 私立美術短大に進学(自宅通学)・・・合計2年間で750万円

入学の年 450万円 (入学金、学費300万円、画材費など50万円)
絵の具 その後の毎年の費用 300万円 (学費200万円、その他画材費など100万円)

 本人からひと言 
画材費など、学費以外でも大きい費用が発生しますので、ご注意ください。美術系進学予備校に通わないと美大進学は難しいです。国立4年生なら、2〜3浪はあたりまえの世界、早めに準備しましょう。

CASE3 理学療法士専門学校4年制(自宅通学)・・・合計4年間で690万円

入学の年 240万円 (学費200万円、交通費20万円、パソコン20万円)
理学療法 その後の毎年の費用 150万円 (学費130万円、交通費20万円)

 お母さんからひと言 
将来、スポーツチーム専属の理学療法士になりたいという本人の希望があって進ませました。入学試験と面接があり倍率も高いので、大学進学と同様の心の準備が必要です。求人が多く就職には困らないようですよ。医療法人の学校なので通学定期が購入できません。事前によく調べておけば良かったと思いました(学校法人ならOKです)。

教育費

CASE4 私立音楽大に進学(マンション1人暮らし)・・・合計4年間で1875万円

入学の年 615万円 (入学金、学費240万円、引越し・生活費など375万円)
ピアノ その後の毎年の費用 420万円 (学費180万円、家賃・生活費など240万円)

 本人からひと言 
幼少時からピアノを習っていて、将来音楽の道に進みたいと希望して進学しました。私立音大に進学を考えている子の親は、たいてい教師から話を聞いて費用面での大変さはある程度知っているようです。それでもなんだかんだで、プラスアルファが必要になるとのことでした。部屋を借りるのも防音設備が必要で割高になるし……。働き出して稼ぐ大変さを知った今、あらためて親に感謝です。

CASE5 スイミングクラブ・水泳選手養成コース(小学生)・・・合計2年間で180万円

スイミング 毎年の費用 90万円
(月謝・会費15万円、1年間の水着代15万円、年間大会交通費2万円×25回=50万円、その他10万円)

 お母さんからひと言 
1年生のときに1級合格、2年生から選手コースに入りました。おかげで何事にも集中力が発揮され、勉強時間も短縮できます。不満はお金がかかりすぎること。水着は3ヶ月で消費してしまい買いかえになります。子どもが本気で競泳をやりたいと思わないと続かないので、親はよく見て、ごちゃごちゃ言わないことですね。

CASE6 アメリカ語学学校・短大に留学(ホームステイ)・・・合計3年間で710万円

入学の年 350万円 (学費250万円、その他100万円)
その後の毎年の費用 180万円 (学費60万円、仕送り7万円×12ヶ月、帰省費ほか36万円)

海外留学  お母さんからひと言 
娘が海外で勉強したいと熱望したので留学させました。最初に通う予定だったカリフォルニア州の大学は日本人が多すぎて勉強にならないと、自分でニュージャージー州の大学を見つけて入学。州立大学のため学費はかなり安いほうです。ホームステイも娘の希望で、とてもいいお宅だったので恵まれていました。ほかの友人はホームステイで苦労した人も多かったようですし、お金がもっとかかるケースも多いと思います。おかげで娘も積極的で行動派になりました。

海外留学費用

子どもの才能を生かす教育費の考え方

特別なコースの教育を考える場合、普通科コースよりは、一般に多くの教育費がかかります。今回は、教育費を投資効果の観点から考えてみたいと思います。

特殊教育は、大きく2つのパターンに分けられます。ひとつは「かけたお金以上の収入が見込める教育投資」です。医歯薬学系、その他の資格や専門職、留学(語学修得)などがあげられます。

卒業後、子どもが強みを生かして経済的に成功できるよう、教育費というかたちで支援することはとても効果的です。本人が望むなら、積極的に応援してあげたいものですね。お金のかかるコース選択の可能性があるのなら、普通以上に早めの資金準備が必要です。場合によっては奨学金などの借り入れを考えてもよいかもしれません

経済的見返りを期待しないで、過程を喜びに

ふたつめは「経済効果はまず見込めないと考えるべき教育投資」です。芸術、芸能、スポーツ系があげられます。

この場合、精神面では、子どもの才能を心から信じてあげることが、才能開花のためには重要です。ただ現実面では、これらで成功して頂点に立てるのはほんの一握りですから、経済的な見返りを期待して投資すると、親子ともに苦しむことになりかねません。 経済的には家計で出せる範囲で応援し、見返りを求めずに子の成長に尽くしてあげることができればよいですね。たとえ充分な環境を用意してあげられなかったとしても、子どもの才能が本物なら、必ず芽を出し、花を咲かせるはずです。実力が世にあらわれるまでは、親が信じ応援し続けてあげることが、何よりも子どもの心の支えになり、成功の原動力となるようです。

子どもの人生 子どもは子ども自身の人生を生きています。親の所有物やコピーではありません。子どもとともに生きる過程それ自体が、親業で得られる宝です。親の欲目や願望を離れ、白紙の心で、子どもの魂がどちらの方向に伸びたがっているのかを見極めてあげることができればよいですね。


 ゆりもとひろみ  

雑誌『アー・ユー・ハッピー?』2007年7月号掲載分 2008.02.25 再編集


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