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[ 豊かにいこう! 女性が自立するためのお金と相続シリーズ ]
第1回 起きる前に知っておきたい 相続対策3つのポイント

2016.03.20

基礎控除

2015年1月から相続税制の改正が施行され、相続税のかかるケースが増えてきました。 大きな理由のひとつは、「基礎控除」が縮小されたことです。 相続人が奥様と子ども2人の場合、改正前の基礎控除は8,000万円でしたが、2015年からは4,800万円に下がりました。

改正をきっかけに、FP相談にいらっしゃる方が随分と増えました。心配していたけれど、 相続税はかからないであろうケースも多い一方、相続税以外の問題がみつかり、 対策の必要性を認識されるケースもあります。 そこで、起きる前に最低限知っておきたい「相続対策」について、ポイントをご紹介いたします。

【1】 我が家の場合は、相続税がかかるのか?

先ほどお話ししたように、基礎控除を超える相続財産があっても、相続税がかからないケースはあります。 相続税法には遺された家族が生活していけるように、様々な軽減措置があるためです。

代表的な制度としては、「遺族が住み続ける場合や保有し続ける場合は、 自宅の土地の相続評価を8割減にしてくれる特例(小規模宅地の評価減の特例)」や、 「配偶者は『法定相続分』又は『1億6,000万円』以下の相続なら税金がかからないという制度(配偶者の税額軽減制度)」等があります。 いずれも適用を受けるためには、相続発生後10カ月以内に遺産分割と申告をする必要があります。

【2】 相続税がかかる場合、事前対策で安くできないか?

評価減などをフル活用しても相続税がかかると想定される場合は、相続財産を減らしたり、 スムーズな納税ができるような対策を検討したりする必要があります。 例えば、お仏壇や墓地は、生前に購入すれば相続財産を減らせますが、死後に購入しても減らすことはできません。

このことをご説明すると、あるお客様から、「最近、70代の母の友人たちの間でお墓を買うのがブームになっており、 何故だろうと思っていましたが、理由が分かりました(笑)」というお話を伺ったこともあります。

また、有名なものとしては、みなし相続財産のうちの生命保険の非課税枠の活用等があります。 500万円×法定相続人までの金額は相続財産には算入しなくてよいため、現金で持っておくよりも、 死亡保険に加入したほうが課税対象の財産を少なくできるのです。生命保険には、確実に納税資金を準備できるというメリットもあります。 その他、財産を贈与することで減らしたり、評価を下げられる資産に移したりするなど、事前であればいろいろと対策の余地があります。

【3】 「争族」の心配はないか?

相続税がかかってもかからなくても、遺族が財産分けでもめないように準備する、という観点も非常に大切です。

最高裁判所が公表している司法統計年報「遺産分割事件のうち認容・調停成立件数」によると、遺族の話合いでは決着がつかず、 家庭裁判所に持ちこまれた財産額別の件数を見ると、7割以上が財産5,000万円以下の相続となっています。

最高裁司法統計年報

財産5,000万円以下というと、相続財産は自宅の土地建物とささやかな預貯金、というごく一般的なご家庭が当てはまります。 「うちは大した財産もないし、相続税がかかる心配もないから安心」と財産分けの方針を決めないでいると、愛しい親族が遺産を巡って争い、 人間関係が壊れてしまう、なんてことも他人ごとではありません。故人の思いがきちんと反映され、遺族がもめる要素を減らす対策も重要なポイントです。


以上3つの観点から、我が家の相続に不安や準備不足がないか、チェックをしていただければ幸いです。まだ間に合う対策はたくさんありますよ。

 ゆりもとひろみ



ゆりもとFP事務所でも、相続相談を承っております。内容を伺って料金を提示いたします。

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