年金崩壊時代への備え方〜自分年金を準備する方法〜
2013年11月17日
ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ
消費税増税の理由に、公的年金制度を維持するということがあります。
では、消費税を10%に上げたら、年金制度は維持できるのでしょうか?
今、一体、いくらくらい年金原資が足りないのでしょうか?
あちこちで試算がでていますが、本日はFP仲間や社労士さんたちと話している実感を、ズバリ、お話ししたいと思います。 あくまで、FPゆりもとの個人的見解ですので、ご了承の上、将来設計にご活用ください。
年金制度は存続するの?
現在、公的年金は破たん必至と言われています。給付を維持するには、消費税を20%以上、一番厳しい試算では60%以上にする必要があると言われていますが、 それは、実質の「給付減額」と同じことですよね? だって、受け取った年金で買えるモノの金額が上がってしまうのですから。
年金制度存続に不安を感じているお客様も多く、最近は年に数件ですが、「ライフプランニングは、将来の公的年金受給はゼロで計算お願いします」 と言われるようになりました。
ただ、最悪でも、ゼロまで殺生な試算をしなくてもよいのでは、というのが、現時点でのゆりもとの考えです。 国の年金原資が空っぽという訳ではなく、何とか収支を改善しようとしたり、運用で増やそうとしたりして頑張ってはいます。
では、いくらくらいはあるのでしょうか?
大体、約束通りの給付をするのに必要な資金のうち、半分くらいは目途があるのではと言われています。
ということから、年金制度が崩壊に近い状態になった場合、「現行制度の半分くらいしか受け取れない」という前提で、 老後の資金準備をするのが一つの目安になるのでは、と考えられます。 また、支給開始が70歳に繰り下がるのは、ほぼ確実と考えて備えるべきでしょう。
では、そのような時代が来るかもしれないことへの対処法には、どのようなものがあるでしょうか?
個人ができる4つの対策
実はゆりもとはFPになって10年余り、このテーマでずっと考えてきました。 その結果、個人での対策としては、シンプルに4つしかない、という結論に至っております(国策としてできることは別途いくつもありますが)。
ということで、「自分年金を準備する方法」と「必要になる元手」をご紹介します。
1.現役の間に老後の生活資金を蓄える
必要な元手 : 現役時代に貯蓄&投資ができる資金力
2.一生働き続ける(そのための準備を現役時代から始める)
必要な元手 : 健康やスキル、人脈
3.結婚や出産をして、将来助け合ったり養ってもらったりできる身内を増やす
必要な元手 : 体力や家庭運営力
4.物価が半額以下の国へ移住する
必要な元手 :チャレンジ精神と行動力
FPは、主に 「1.の老後資金準備のための貯蓄運用」 をサポートしています。
方法としては、家計見直しによる貯蓄額UP、金融商品での資産運用、不動産投資などがあり、いずれの相談もここ数年増加傾向にあります。 現役時代にある程度の貯蓄を積み上げられる人なら、そしてリタイアまでに10年以上の時間があるなら準備が間に合う可能性があります。
ただ、お金に限らず「人生の財産」を増やしていくことで、たとえ年金崩壊が起きてしまったとしても、 前向きに人生を守っていくことはできるはずです。 大変とはいえ、飢えで苦しんでいる国々や、戦後間もないころの日本に比べれば圧倒的に恵まれ、努力の余地もたくさんあります。
自分や大切な人たちの人生は自分で守る覚悟を持って、将来を見据えた準備をご一緒に頑張ってまいりましょう。