年金受取額を増やすワザ
2014年07月07日
ファイナンシャル・プランナー 望月貴美香
皆さまご認識の通り、超高齢化社会の到来と少子化に伴い、社会保障費の増大や増税は避けられない情勢です。 お給料が多少上がったくらいでは、可処分所得の減少に追いつかないでしょう。
そんななか、少しでもたくさん年金を受け取りたいと思うのは人の心。 今回は「年金」の受取額を増やすワザをご紹介します。
75歳以上長生きしないと払い損?
自営業者、学生、無職の方などの第1号被保険者は、年間約18万円の国民年金保険料を払っています。 40年間払い続けた場合、18万円×40年間=720万円(概算金額)。これだけの保険料を国に納めることになります。
何年で元がとれるのか計算してみましょう。
老齢基礎年金の満額支給額は年間772,800円。支給額は毎年見直されますが、この額を基に計算してみます。
720万円÷77万2,800円=9.31年
はい、約10年かかります。65歳から老齢基礎年金を受給した場合、 75歳以上長生きすれば元がとれる計算です。
2年で元がとれる年金
しか〜し、たった2年で元が取れる年金があるんです。 その名も『付加年金』。 毎月の国民年金保険料に400円プラスして納付するだけで、 将来受け取る老齢基礎年金に付加年金が上乗せされます。
どれくらい上乗せされるのか。
年間上乗せ額200円 × 付加保険料納付済月数
例) 40年間毎月納付した場合
納付済保険料・・ 400円 × 480 =19万2000円
受取年金額・・・・ 200円 × 480 = 9万6000円
トータル19万円2000円払えば、年間9万6000円が毎年死ぬまで手にはいるのです。 なんと2年で回収できちゃうのです。 定額なので、物価が変動しても、増額も減額もされません。
400円といわず、もっと保険料払いたい! と考える人もいると思いますが、400円と決まっています。
誰でも加入できるわけではない
残念ながら、このコラムを読んでいる全員が加入できるわけではありません。 加入できるのは国民年金第1号被保険者のみ。
ただし、第1号被保険者であっても以下に該当する人は加入できません。
・ 国民年金基金加入中
・ 保険料免除対象者
お得な制度ですので、利用できる方はぜひお住まいの市区町村役場でお申し込みを!
※今回は老齢基礎年金受取の観点から損得の話をしましたが、国民年金保険料を納付することで 「障害年金」や「遺族年金」受給の権利を得ることができます。