ふるさと納税はどれだけお得?
2014年08月07日
ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ
ふるさと納税とは
ふるさと納税は、地方の自治体に寄付という形で納税すると、 一定金額までは所得税の還付や住民税の減免を受けられるという仕組みです。
つまり、自分が納税する先を選べる、という制度です。
そして、寄付をすることで、お米やお肉、魚介、果物、スイーツなどの特産品プレゼントが 受け取れるサービスを、全国の自治体が競い合って始めています。 少ない自己負担で特産品が受け取れるという話がテレビなどに 取り上げられ、一気に注目が集まっています。
ただ、初めて聞くと仕組みがよく分からないのと、 収入や納税額によってお得になる金額が異なるため、 体験するのに2の足を踏んでしまうことが多いようです。
ということで、仕組みと注意点をまとめさせていただきました。
ふるさと納税の仕組み
個人が2,000円を超える寄付を行った場合、2,000円を超えた金額のうち、 一定額までは、所得税と住民税が還付または減免される制度です。 控除を受けるためには、寄付をした証明書を受け取って、確定申告することが必要です。
いくらまでお得に活用できるのか?
一般的な収入の方は、支払っている住民税の約1割相当額上限になります。 納税額が多い人(高額納税者)は、お得になる金額がもっと増えます。
一般的なサラリーマンの住民税は、20〜30万円程度なので、 2〜3万円がお得に活用できる上限、というのがザックリした目安となります。 扶養に入っている主婦の場合、納税していませんので、ふるさと納税をしてもお得にはなりません。ご注意を。
どうしてこういう制度があるの?
現在日本では都市部に人口が集中し、地方の過疎化が問題になっています。 地方で生まれた人は、地方の自治体の公共サービスを受けて育ったのに、社会人になると都市部に移住し、 都市部の自治体に納税することになります。
この都市部に集中して納められる税金の一部を、地方にうまく還元できれば! ということで編み出された制度です。
元々、公益法人などに寄付をした一定額が所得控除や税額控除を受けられる「寄付金控除」という仕組みがありました。 ふるさと納税もその一種といえます。
日本政府は反響がよいことを喜んで、さらに活用してもらうため、 「住民税の約2割にすることを検討すべき」と、制度拡充に積極的です(2014年7月5日菅官房長官発言など)。
どんな風に活用すればよいの?
もらえるプレゼントからふるさと納税の寄付先を選ぶ、という方法が流行っています。 ネットショッピング感覚で各自治体の特典を選べるサイトが増加中です。
<ふるさと納税の参考サイト>
ふるさとチョイス
・
Yahoo! 公金支払いサイト
ふるさと納税の本当の魅力
お得になるから利用するという形が広がっていますが、ふるさと納税は本来寄付金です。 つまり、あなたの意思で特定の地方自治体を応援することができる、というのが 奥にある魅力ではないでしょうか。
たとえば、島根県に寄付をする場合は、 寄付金の使途を以下の8項目から選ぶことができます。
1. 産業の振興
2. 自然環境の保全
3. 医療・福祉の充実
4. 教育・文化の振興
5. 子どもの読書活動の促進
6. 竹島の領土権の確立
7. 森林の保全及び整備
8. 防災対策の推進
過疎化が進む市町村と交流し、再興を応援することもできるし、 教育、医療、自然環境維持、政治問題など、 自分が関心のある事業に資金援助をすることも可能です。
ふるさと納税を通して、今までご縁のなかった地域や人との 交流が始まり、日本全体が元気になるきっかけになればよいですね。