年に1回、家計管理を成功させるためにやるべきこと
2010年10月4日
ファイナンシャル・プランナー ゆりもとひろみ
家計の現実を把握する
今回は、ぜひ年に一度、家族でやっていただきたい家計管理の方法についてお話したいと思います。
あなたのご家庭のお金の流れについて、「どこが問題なのか」「どうすればいいのか」が知りたいところですね。
それを明らかにするためには、まず、家計の現実 を把握することが不可欠です。
家族で家計について話し合おうとしても、「収入」や「年間貯蓄額」がわかっていないと、推測や感情論になって、ちっともらちがあきません。実際の金額を把握した上で、冷静に話し合えば、ぐっと建設的な時間になるはずです。
それでは、第23のワザ をお送りします。
今回は、「家計簿をつけたことがない」「収支の計算、したことがない」という方でもできる、1番簡単な方法をお教えします。この「決算」は、できれば、ご夫婦そろって、やっていただきたいのです。
家計の現実を把握するカンタンな方法
発展するお家というのは、お金のことについて、夫婦で赤裸々に話しあえる家庭です。夫婦仲がよく、協力し合って家計を管理できるお家が 1番強く、理想の姿であることは、覚えておいてください。
でも、家計管理が明らかに赤点で、「主人に真実がばれると、年の瀬が大波乱になってしまう」という場合は、仕方がありません。今年は、奥様だけでも、しっかり「家計の現実」を把握しましょう。
必要なものは、
● 給与(収入)振込み・引き落とし口座の通帳
● 分けて貯金している口座があれば、その通帳1式
● お財布、たんす預金など、家にあるお金
これで全部です。通帳は、「決算」前に記帳しておきましょう。
「決算」で知りたい「金額」は3つあります。
この1年で、いくら入ってきたか・いくら使ったか・いくら貯金ができたか(もしくは赤字だったか) が、わかればよいのです。
いくら入ったか
これは、給与振込みや手当金など、記帳されている収入を、すべて合計するとわかります(いったん、紙に書き出してから計算すると、間違えにくいです。)
普段思っているのより、大きな金額になるのではないでしょうか。
次に、「いくら使ったか」は、調べるのが難しいので飛ばして、いくら貯金できたか、を計算します。
いくら貯金できたか
これは、「今日の通帳残高と、手元のお金すべてを合計した額」から、「ちょうど1年前の残高合計」を引くと出てきます。
<計算式1> 貯金額 = 通帳残高 + 手元のお金 − 1年前の残高
いくら使ったか
そして、「入ったお金」から、「貯金できたお金」を引くと、「使ったお金」の金額が明らかになります。
<計算式2> 使ったお金 = 入ったお金 − 貯金できたお金
※ 貯金が赤字の場合は、「入ったお金」と赤字額を足します。
えっ、こんなに使ったの? と、びっくりするご家庭が大半だと思います。
そして、まず、チェックするべきなのは、収入の範囲内で生活するという、家計の基本原則が、クリアできているか、ということです。
収入の範囲内で生活できていますか?
今年、住宅購入や、お子さんの入学といった、覚悟の出費がないのに、大きな赤字になっている場合、大変問題です。わかる限りの「お金の使い道と金額」を書き出して、 「予算カットすべきはどれか」「改善できる点はどこか」家族会議をしてみましょう。貯蓄ができていたお家は、その貯蓄額が納得いく額であるか、来年もこの貯蓄ペースで大丈夫か、考えて見ましょう。
家計の「決算」初級編は、あなたのお家の「3つの金額」をはっきりさせる事です。
本格的に「決算」するには、収支明細を細かくチェックしたり、BS(バランスシート)を作成して、債務状況(資産に対して借金が大きすぎないか)を検討することも必要ですが、まずは、1番シンプルな方法をお話しました。これを、家計改善の取っ掛かりにしていただきたいと思います。
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