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めざせ! 家計マネジメントの達人<第1回> Let's 黒字化宣言

2008.05.12

いつも家計がギリギリ。どうしよう?

電卓 Q. 春に結婚したばかりです。妊娠したので専業主婦になりました。結婚前は自分のお給料のほとんどを使う生活 をしていたので、一家の主婦としてやっていけるか不安です。これからどうやってやりくり上手の奥さんになっていけばいいか、教えてください。
新米主婦のHさん(28歳・専業主婦) / 夫(30歳・会社員)


A.「赤字は悪」と知って、黒字にしましょう!

Hさんと同様の方は数多くいらっしゃると思います。今回から家計マスターをめざすあなたへ、「家計マネジメントの達人・4回シリーズ」をお送りします。家計を豊かにしていく基礎を、楽しく学んでゆきましょう。

Step1 「赤字は悪」と知って、「収入の範囲内で生活する」決意を!

ゆりもと(以下「ゆ」) まず「一家のお財布を預かるという家族の信頼に応えるのが、主婦の使命」だと心得ましょう。そして、家計の基本である「収入の範囲内で生活する」と決意することです。 Hさんの家計はどうですか?

家計の現状 Hさん(以下――) 恥ずかしいんですが、こんな状況です。

 毎月の収支がマイナスになっていますね。このマイナス分は、夏冬のボーナスで穴埋めしているわけですね。

―― 手取りが少ないので、なかなか生活が回らなくて・・・。

 まず「赤字は悪」「黒字は善」ということを、しっかりと知ることが大切です。特に借金やローンは最小限にすべきです。

―― 家具やクルマの支払いがまだ残っていますけど・・・。

 Hさんの場合は、借金は少ない方だと思いますが、借金というのは、自分やご主人の人生を先食いすることになります。自分の欲を優先して「あれも買いたい、これも買いたい」とローンで使い込むことを繰り返していると、あとから高い「つけ」を支払わなくてはならなくなります。
※ 詳しくは、家計お助けアドバイスシリーズ「カードローンの返済が苦しい」をご覧下さい。

借金体質が身につくほど怖いことはありません。大きくふくらんだ借金から家計を再建する大変な苦労を思えば、毎月の支出をセーブして赤字を出さないほうが、はるかに簡単で報われる努力です。ここをまず、きちんと押さえておきたいですね。

―― わかりました。「赤字は悪」と知って、収入の範囲内で生活する決意をします。

ポイント

 「黒字は善・赤字は悪」と知りましょう。

 赤字家計は自分も苦しみ、家族や周囲の人にも迷惑をかけるので、なるべく早く黒字化をめざしましょう。赤字家計脱出の一歩は「決意」です。

 必要な収入を確保し、収入の範囲内できちんと生活することが「家計の基本」です。

Step2 「ギリギリ家計」から「黒字体質」に変えよう!

 まずは赤字体質からの脱却が先決ですが、入ってきただけきっちり使ってしまって、あとには残らない(貯蓄が増えない)方にも、やはり問題があります。

―― 私のところも、あるだけ使ってしまうので・・・。

 ギリギリ家計は、今の時点でこそ赤字にはなっていないかもしれませんが、ちょっとした不意の出費で、いつ赤字転落してもおかしくない、とても不安定な状況です。プラスマイナスゼロで安心していてはいけません。一生を通じて黒字を続けるためには、貯蓄を大きくしていくことをめざしましょう。

―― はい、少しずつでもプラスを生むように心がけます。

ポイント

 「赤字ではない」という状態で安心していては不十分です。

 予期せぬ出費・収入ダウン・家族の病気やケガで、赤字転落するおそれがないか、考えましょう。

 将来必ず支払うことになるお金を苦しまずに出費できるようにするため、家計を黒字化し貯蓄を増やしましょう。

Step3 貯蓄の最低ラインは? ⇒ 生活費の3ヶ月〜半年分をまず貯めましょう!

―― では、どれくらい貯金をすればいいんでしょう?

 まずは、生活費の3ヶ月〜半年分を貯めましょう。毎月20万円で生活できるご家庭なら、100万円程度が目安になります。これだけあれば、不意のアクシデントで収入が減ったり、なくなってしまったとしても3ヶ月〜半年の経済的猶予があれば、すぐに家計が転覆しないで済みます。

―― うちの場合は、まず100万円ですね。

 貯蓄があると、赤字や毎月ギリギリの生活を続けている人に比べて、心の安定度が大きく増します。心に余裕があって暮らせることが「豊かさの基本」です。本気で努力すれば、早い人で1年、遅くても数年で実現できますよ。

―― わかりました。毎月1万円ずつ貯金して、ボーナス分もなるべく貯金に回すようにしたいと思います。

 さらに将来的には、お子さまの教育費や住宅購入費など、大きなお金が必要になってきますから、主婦としては、大きなお金を動かせる「家計のマネージャー」をめざしましょう。

ポイント

 月収の3ヶ月分以上の貯蓄を、最低目標ラインと考えましょう。

 家計において「ダム経営」を実践しようと決意しましょう。

 住宅資金や教育資金の準備には、主婦感覚を超えた大きな金額が動きます。家計のマネージャーが務まるだけの金額(貯蓄額)を受け入れられる自分をめざしましょう。

家計でも「ダム経営」が大切

企業がどのような環境でも堅実に発展していくための大切な考えとして、「ダム経営」というものがあります。ダムをつくることで、季節や天候に左右されることなく、常に一定の水量を蓄え、必要に応じて使えるようにすることができます。そのダムのようなものを、経営のあらゆる面に持つことによって、外部の諸情勢の変化の影響を受けずに、常に安定的な発展を遂げていくことをめざせます。
(松下幸之助「実践経営哲学」より抜粋・意訳)

ダム経営 家計においても、ダム経営の考え方は重要です。経済的ダムとしての貯蓄をつくっていこうと心がけていれば、だんだんそうなりますが、本心では「ギリギリでもなんとか回ればいいわ」と思っていると、何年たっても「ギリギリ家計」や「赤字家計」で苦しむことになってしまいます。「経済と心のダム経営」をめざしたいなら、「豊かな家計」をしっかり心にインプットしましょう!

ゆりもとひろみ 

雑誌『アー・ユー・ハッピー?』2007年10月号掲載分 2008.05.12 再編集


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