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めざせ!家計マネジメントの達人<第3回>
家計と計画性「人生トータルで黒字化をめざそう!」

2008.06.07

計画性のある貯蓄方法は?

貯金箱 Q. 計画性を持ってお金を貯めるには、どうすればよいでしょうか?
Yさん(30代・専業主婦) / 夫(30代・会社員)



A.第1回、第2回では、日々の家計を黒字化する方法を身につけました。今回はさらに一歩進んで、目先だけではなく、「人生トータルで家計を黒字にする方法」をご紹介します。

参考:
めざせ! 家計マネジメントの達人<第1回> Let's 黒字化宣言 >>
めざせ! 家計マネジメントの達人<第2回> 家計と黒字 「貯蓄をふやす智恵」 >>

Step1 「人生トータルでの黒字化」に必要な考え方は?

Yさん(以下――) いま、毎月10万円、年間で120万円を貯金しようとがんばっています。

ゆりもと(以下「ゆ」) では、その120万円は自由に使ってよいお金でしょうか?それとも将来使うことが決まっているお金でしょうか?

―― いずれは家を買いたいと思っていますし、子どもも3人くらいほしいので、教育費もかかるし、全部自由には使えないと思います。

 住宅購入や3人のお子さまの養育には、毎年120万円の貯蓄ペースで間に合うのか、もしくは、これではまだ不足しているのか、どうでしょうか?

―― えっ、そこまで考えたことはありませんでした。

 さらに遠い将来の話になりますが、老後の生活費については、公的年金以外にお金の準備が必要かどうか考えたことはありますか?

―― 年金だけでは、生活できないとよく聞きますが……。

 住宅購入やお子さんの進学、希望の老後生活といったものを 「ライフイベント」(人生の中でぜひかなえたい夢)と言います。ライフイベントを実現するには経済的な準備が必要です。「お金が足りないから、自分の家族の夢が実現できなくなった」とならないよう、 「何に」「いくら」「何年後に」必要かを把握して、準備することが大切です。 将来に必要なお金も計画的に準備できれば、「人生トータルでの黒字化」を実現できそうだと言えます。

Step2 ライフイベントでどれくらい必要か、計算してみよう!
Yさんの人生3大資金の必要準備額イメージ

1 住宅資金

マイホーム 住宅ローンを固定金利3%、30年返済で組んだ場合
 総返済額は借入額の1.5倍

物件価格 3,000万円の場合、年間の住居費コストは
 3,000万円×1.5÷30年=150万円/年

現在の家賃は月10万円×12カ月=120万円/年
住居費として貯蓄に回せるようにしておきたい金額
 150万円−120万円= 30万円/年

2 教育資金

教育費早見表 お子さんを3人とも高校・大学を私立に行かせたい場合は、
 1,150万円×3人=3,450万円

おおよそ今後30年間に必要となるので、準備したい教育資金は、
 3,450万円÷30年= 115万円/年

※もし、平均4%で運用できる金融商品で複利運用した場合、必要な準備資金は、80万円/年

3 老後資金

備えあれば憂いなし 夫がずっと会社員なら、65歳から受け取れる公的年金は、
 夫婦合わせて約23万円
(厚生年金:生涯収入×0.55%、国民年金:1人約80万円)

毎月プラス10万円の生活資金を希望されるなら、
 10万円×12ヶ月×25年間(夫90歳まで)=3,000万円

現役時代に30年間で準備する必要な準備資金は、
 3,000万円÷30年= 100万円/年

※もし、平均7%で運用できる金融商品で複利運用した場合、必要な準備資金は、30万円/年

ライフイベント別 必要金額の計算法

(1)まず、「わが家でどうしてもかなえたい夢」を書き出します。そして、それぞれの夢を実現するには、「いつまでに」「いくら」の資金準備が必要かを計算します。

(2)次に、必要な金額をライフイベント発生までの年数で割ると、毎年準備するべき貯蓄額の目安が見えてきます。

(3)算出された必要な貯蓄ベースを、現在の貯蓄ベースと比べてみましょう。明らかに不足している場合は、早めに対策を考える必要があります。

Step3 人生トータルで黒字化をめざそう!

―― なるほど、わが家の場合は毎年245万円(住宅30万円+教育115万円+100万円)もの貯蓄が必要なので、このままでは全然足りないですね。

 そうですね。でも、早めに知ることで対策が立てられますよ。不足分を補う方法としては、

(1)支出をさらに削るか
(2)奥様が将来働いて補うか
(3)または、資産運用を勉強してお金を増やすことで目標金額を準備する方法もあります。


Yさんのケースでは、教育費準備を、平均年4%で複利運用しながら積み立てることができれば、毎年の貯蓄は35万円少なくてすみます。また老後資金は、平均年7%で積立運用するなら、貯蓄は70万円も少なくてすみます。ということで、運用をとり入れることで、毎年の必要貯蓄額は140万円ということになりますが、この金額でしたらいかがでしょうか?

―― 140万円なら、あと20万円分を年間で増やせばよいので、なんとかなりそうです!

 本当は、それぞれの必要資金をもっと細かく見ていくのですが、まずは大ざっぱでもよいので、将来の希望を金額に直し、現状と比較してズレを減らす対策を立てておくと、見通しが立つので安心ですよ。

計画表 ―― よく分かりました。将来を考えて、計画的なお金の準備をしていきたいと思います。まずは運用について、さっそく調べてみます。

 人生トータルで黒字にできるよう、計画を立てることができれば、すばらしい家計のマネージャーになれますよ。ぜひ夢をかなえるためにがんばってください。

雑誌『アー・ユー・ハッピー?』2007年12月号掲載分 2008.06.07 再編集


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